2016 Fiscal Year Annual Research Report
Portfolio optimization problem for high dimensional data
Project/Area Number |
24730193
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白石 博 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90454024)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 最適ポートフォリオ / 統計的推定 / 漸近理論 / 高次元データ / 縮小推定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究課題で提案した最適ポートフォリオの理論的結果の検証をシミュレーションにより行い、さらに実データを用いて既存のポートフォリオとのパフォーマンスの比較を行った。本研究課題では、 1. 標本分散共分散行列の漸近バイアスを補正した推定量を用いたポートフォリオ 2. ポートフォリオ比率のベクトルに対する縮小推定量を用いたポートフォリオ を提案している。これに対し、既存のポートフォリオとして、a)比率が等しいポートフォリオ(NP)、b)標本平均、標本分散共分散行列を用いた従来のポートフォリオ(ML)、c)標本平均を縮小推定したポートフォリオ(BS)、d)標本分散共分散行列を縮小推定したポートフォリオ(CS)などが知られている。まず、1. については、シミュレーションを行い、高次元設定の下で、ポートフォリオ推定量が一致性を持つことが確認できた。また、日経225の209銘柄を用いて、提案手法とNP、ML、CSを比較し、効用関数を用いた指標により提案手法の優位性があることを確認した。2. については、縮小度合を定めるパラメータと縮小する方向を定める関数の特定が問題となる。本年度の研究では、シミュレーションによりMLとのMSEの差が最大となるパラメータの存在性を確認した。また、20銘柄を用いて、3つの縮小関数を用いた提案手法とNP,ML,BS,CSを比較し、シャープ比や効用関数を用いた指標により、提案手法の優位性を確認した。本研究課題は投資資産が膨大となるような高次元設定の下で最適なポートフォリオを提案し、実用可能性を検証することが目的であり、提案した手法が一定の優位性を持つことが理論的にも実務的にも実証できたことで本研究課題の目的は達成された。
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