2012 Fiscal Year Research-status Report
労働者の教育水準と専門性に着目した企業の労働需要行動の理論的実証的研究
Project/Area Number |
24730198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
窪田 康平 山形大学, 教育文化学部, 講師 (20587844)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育 |
Research Abstract |
本研究で明らかにすべき主要な問いは以下の3点である。(1) どのような企業で、どのようなタイプ(専門性・知識レベル)の労働者が求められているか、(2) 高度な専門知識を持つ大学院修了者を企業は求めているのか、(3) 理系または文系といった専門性は重要なのか。本年度は、(a) 先行研究のサーベイ、(b) 理論モデルの構築、(c) データの収集、(d) データの解析を行った。 本研究と関連して、教育に関する以下の研究を行った。第一は、「親の所得が子どもの教育水準に与える影響」である。この研究では、子どもの教育水準に対する親の所得の因果関係の推計を試みた。分析の結果、親の所得と子どもの教育水準の両方に関係する様々な要因を除去すると、親の所得の影響は小さくなることが明らかとなった。この結果は、親の所得が上昇するような政策を行うと子どもの教育水準は上昇するが、相関関係から予想されるほど子どもの教育水準は上昇しないことを示している。 第二は、「勤勉さの文化伝達-親のしつけと世界観」である。この研究では、経済行動を規定する選好の1つである勤勉さに注目し、これがどのように形成されているのかを検証した。分析の結果、親のしつけ方が子どもの勤勉さに因果関係の意味で影響を与えていることが明らかとなった。選好の形成メカニズムの解明は文化差の解明につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点で、本研究は6つの段階のうち3つの段階を経ている。具体的には、(1) 4タイプの労働者を考慮した企業の生産行動に関する理論モデルを構築し、(2) 就職四季報と日経NEEDSをマッチさせてデータセットを構築し、(3) 理論モデルから推定モデルを導出した。これは当初の予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の予定通り次の作業を遂行する。(4) 推定モデルのパラメータを推定し、(5) 論文を執筆し国内外の学会で発表し、(6) 学会で頂いたコメントを参考にして論文を改訂し国際雑誌に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ分析をするために、(1) ソフトウエア、(2) データ、(3) 分析方法に関する書籍を購入する予定である。 論文を執筆するために、英語校正費が必要である。 研究の打ち合わせや論文発表をするために、旅費が必要である。
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