2012 Fiscal Year Research-status Report
国際運輸サービスの自由化及び輸送費用の低下が貿易・企業立地に与える影響
Project/Area Number |
24730214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
藤井 孝宗 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (90317280)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際貿易論 / サービス・リンク・コスト / 貿易円滑化 |
Research Abstract |
本年度は4年間の研究の準備段階として、サービス貿易の貿易阻害要因の現状に関する制度的側面を調査するとともに、データ収集を行った。とくに、運輸関連の貿易阻害措置の調査、検討と主にICAO発行のデータベースを利用した航空運輸の流動データに関するデータベース作成を中心に研究、作業を行った。 並行して、本年度の準備段階での調査結果をまとめ、国内外の学会において成果の発表を行った。これらの研究報告の一部は本研究の最終目的と多少内容が異なっているものもあるが、本年度は研究プロジェクトの初年度で準備段階のため、関連領域について幅広く調査している結果である。研究発表を行った学会は以下の通り。 9th World Congress of the Regional Science Association International (RSAI), European Regional Science Association 2012 Congress, 3rd International Workshop on International Economics "Economics of Global Interactions: New Perspectives on Trade, Factor Mobility and Development" , International Conference on Economics, Turkish Economic Association (ICE-TEA) at Izmir, Turkey, 1-3 November ; Nagoya International Economics Study Group (NIESG) 32nd Meeting at Niigata, Japan, 1 December.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は4年間の研究プロジェクトの初年度であり、主に関連文献の調査、実際のサービス貿易に対する貿易阻害措置の制度調査、及びデータ収集に当てる予定であった。これまでの所、特に理論・実証面での関連文献の調査、具体的にはフラグメンテーション理論やTrade Facilitation, Connectivityなどこの分野に関連する理論的、実証的研究文献の収集、調査は順調に進んでいる。また、データベース作成についてもICAO発行のデータベースを利用して国際航空運輸フローのデータを収集するなど、計画通り進行中である。現実の貿易阻害措置に関する制度調査については、どうしても調査すべき範囲が多岐にわたり、国際機関がまとめている情報だけではなく個別の国の情報に降りていかなければならない場合もあるため前2者と比べると進捗が遅れてはいるが、この点に関しては地道に行う以外に解決方法はないので、25年度も引き続き地道に行う予定である。全体としてみれば、一部で遅滞が見られるもののおおむね順調と言って良いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度においては引き続き制度的側面の調査及びデータセット構築を行う。データセット構築に関しては毎年度最新の情報を反映させる必要があるため、今後プロジェクトの終了まで引き続き行っていく。 データセット作成にある程度めどがつき次第、実証研究を本格的に行っていく。第1段階としては、貿易障壁が実際にどの程度貿易フローを阻害しているか、を確認しなければならない。そのために、グラビティ・モデルを用いて貿易阻害措置の影響を推計する。モノの貿易に関しては以前よりこの種の研究は多数存在しており、分析手法としてはすでに一般化しているものである。ただし、近年理論面からグラビティ・モデルを用いる研究に内在する問題点が指摘されており、本研究ではそれらの批判を取り入れ、分析手法を改善していく予定である。 第2段階としては、貿易阻害的影響が実際に削減されていっているのかどうか、およびそれがtrade facilitationや域内のconnectivityの改善に寄与しているかどうか、について計量分析により明らかにしていく。最終年度には第3段階として、輸送コストを中心としたサービス・リンク・コスト(トランザクション・コスト)の削減が実際に国際生産ネットワークの形成に寄与しているか、を確認するための計量的研究を行い、研究のまとめとする予定である。これらの研究成果は各年度ごとに国内外の学会などで公表していく予定である。また最終的には学術ジャーナルへの論文投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
なし
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Research Products
(6 results)