2014 Fiscal Year Annual Research Report
市場における期待の異質性とフォワードルッキングなマクロ経済政策
Project/Area Number |
24730253
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
平田 英明 法政大学, 経営学部, 教授 (60409349)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 株価 / ボラティリティ / 国際連動性 / 経済政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.作成した3つ論文が英文査読誌に受理され、1邦語論文が刊行され、いくつかの論文を英文査読誌に投稿した(現時点では投稿中)。 2.今年度は特にクロスボーダーの経済取引の変化に伴い、市場の期待形成が変化することを通じて、国際間での同経済変数間の相関にどのような影響が与えられるかを分析した。研究成果としてワーキングペーパー化した。特に、貿易取引だけではなく、証券投資が爆発的に増加している新興国間の株価の相関関係に特に注目した分析を行った。株価であれ、実質GDPであれ、経済変数のクロスカントリーでの相関を考える場合、国Aと国Bの間の相関はその両者と取引のある国Cからの影響を受ける。特に、経済的な意味で国Aと国Bが小国、国Cが大国であったとすれば、国Cからの影響を無視することは、本質を見誤ることとなる。この影響を踏まえた上で、相関関係の経年的変化が何によって説明できるかを明らかにした。基本的には、G7のような大国からの影響が支配的であることを明らかにした。 3.消費税の影響に関しては、シミュレーション作業を少し行っているが、年度内にワーキングペーパー化することはできなかった。その理由として、昨年4月の消費税引き上げ後の影響を再現できるようなパラメータ設定がスタンダードな定式化では難しく、日本経済の特徴をとらえたモデルを作る上では、もう少し、工夫が必要と考えられるためである。 4.今回の一連の研究を踏まえ、新たな問題意識として、期待の役割を理解していく上で、もう少しディスアグリゲートしたレベルで連動性を考えていく必要があるという考えに至った。一つのアプローチとしては、企業レベルでのデータを使うことが考えられるが、もう少し、シンプルに業種別等での研究が有意義になると思われる。新年度以降の研究につながる知見だと考えている。
|