2013 Fiscal Year Research-status Report
Aid for Trade政策の実証研究 メコンデルタ地帯を例に
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24730257
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大野 敦 立命館大学, 経済学部, 准教授 (20432726)
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Keywords | 開発学 / 国際政治経済学 / 開発経済学 / WTO / Aid for Trade / 貿易のための援助 |
Research Abstract |
本年度は、メコン川流域での現地調査、WTOでの発表など、精力的に活動を行った。特に10月に行ったジュネーブWTO Public Forumでの発表は、本研究成果の一端を発表しWTOの担当者からコメントを得ることができるなど、大きな成果であったと言える。こうしたことから、研究申請に記載した以下の3つの概要はほとんどクリアできたと考えている。 1.前年度の文献調査および国際機関へのインタビューにて収集した資料および情報をもとに、世界銀行・WTO・IMF等のAfT政策を再検討し、理論的整合性を分析する。 2.メコン川周辺国への第2回の現地調査を行い、前年度の現地調査を元に追加的資料の収集を行う。特に、PRSPにおける貿易政策との整合性を念頭におき、ケーススタディを深化させる。同時にラオス国立大学においてワークショップを開催する。本研究の中間経過を現地で発表することによって、現地からのインプットが可能となる。 3.WTO・UNCTAD本部への訪問を行う。この訪問では、前回の訪問で得た資料および情報を精査した上で、両機関の最新の対応を非公式にインタビューすることが目的の一つである。 本年度は、上記の研究計画を確実に達成したうえで、研究発表や公刊した2本の論文、執筆中の2本の論文など、大きな成果を上げることができた一年であった。また、研究を持続する中で、WTO加盟が途上国にとって大きな課題であり、一つのコンディショナリティーになっていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、1回の現地調査を行い、2回の学会参加を行った。また論文を2本刊行することができた。これらはすべて、交付申請書に記載した「研究の目的」に対して、予定通りである。また、論文についても現在2本の論文を執筆中であり、来年度何らかの形での出版を予定している。そのため、現在までの達成度は、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究の進捗状況が順調であったため、新年度も研究計画書を前提とした研究を続けていく。そのため、本年度の研究計画は以下のとおりである。 1.前年度の文献調査および国際機関へのインタビューにて収集した資料および情報をもとに、ジュネーブのWTO・UNCTAD、イギリスのDFIDへの訪問を行う。この訪問では、前回の訪問で得た資料を精査し、各機関の最新の対応をインタビューすることが目的である。 2.メコン川流域諸国への第3回の現地調査を行い、ケーススタディを完成させる。ラオス大学やカントー大学あるいはNIDAにおいてワークショップを開催する。 3.3年間のまとめとなる論文を執筆する。 以上の研究を元に、AfTに関する研究を進展させる。具体的な成果として、(1)開発機関の政策比較を行う。(2)PRSPにおけるAfT論の可能性を分析し、貧困削減との関連を考察する。(3)メコン川流域諸国におけるTCDと貧困削減の統合的な研究を進展させる、という3点を目標とする。
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