2013 Fiscal Year Research-status Report
バランスシートを内生化したマクロモデルの開発とゼロ金利制約を考慮した金融政策分析
Project/Area Number |
24730264
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 慎一 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70614006)
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Keywords | 動学的一般均衡モデル / エージェンシーコスト / ゼロ金利制約 |
Research Abstract |
研究課題「バランスシートを内生化したマクロモデルの開発とゼロ金利制約を考慮した金融政策分析」においては、日本経済のマクロ経済学的分析を行うにあたり、二つのプロジェクトがある。①従来の動学的一般均衡モデルに企業と金融部門のバランスシートを取り込むことによって、90年代の金融危機・長期不況(いわゆる『失われた10年』)の要因分析を動学的一般均衡モデルの枠組みで行うこと(以下プロジェクト①)、②ゼロ金利制約の存在を明示的に考慮に入れたもとでの最適な金融政策のあり方を分析すること(以下、プロジェクト②)である。プロジェクト①においては、金融部門ならびに企業部門のバランスシートを内生化したうえで、モデルを理論化し、昨年度に引き続きモデルの実証分析を行った。実証分析を行う上では、昨年度に引き続き、連携研究者である飯星宏邦氏(首都大学東京)との共同研究を行った。研究成果については、2014年度のカナダ経済学会ならびに東京大学マクロセミナーで報告予定である。また、家計部門のバランスシートを内生化し、担保付借入をモデル化した動学的一般均衡モデルに関する論文が査読付き国際学術誌にアクセプトされ、現在共著者と共に論文の修正を行っているところである。次に、プロジェクト②についてであるが、昨年度に学術誌からリジェクトされたため、現在、理論モデルをさらに改良した上で他の学術誌に投稿することを準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、プロジェクト①の再推計を行いモデルの推計精度をさらに高めた上で論文を作成中である。以前のバージョンは、2013年のカナダ経済学会において残念がらリジェクトとなったが、本バージョンは2014年のカナダ経済学会において受理され、学会報告を行うことが確定している。また、東京大学マクロセミナーにおいても報告予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はプロジェクトの最終年度に当たるため、プロジェクトの成果を学会報告、ワーキングペーパーの公刊、学術誌での公刊を視野に研究を推進している。プロジェクト①とプロジェクト②における研究比重については、プロジェクト①に比重を置いて研究を推進し、研究成果を挙げる方向である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度から2014年度への繰り越し金額は1万円程度であり、ほぼ予定通りの執行状況となっている。 当初の予定通りの執行状況であり、問題はないと考える。2014年度の執行計画に基づいて予算を執行する計画である。
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