2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730269
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
敦賀 貴之 京都大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (40511720)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金融危機 / 流動性不足 / マチュリティ・ミスマッチ / 信用外部性 / 金融規制 / ベイルアウト / マクロ・プルーデンス政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成26年度は、2つの査読付きの国際学会で2本の論文を発表した。この2本の論文のうち“The safer, the riskier : a model of financial instability and bank leverage”(論文1)については、査読付き学術雑誌からの修正・再提出の要求があったため、これを最優先事項として、論文を再投稿し、現在、編集者からの回答を待っている段階である。論文の修正については、基本的結論(流動性の需要が弱いと予想され、銀行部門にとって流動性の枯渇をもたらしにくい安全な環境下では、銀行のリスクテイク活動が活発になるため、かえって金融危機の発生確率が高まる)には変更はないが、(1)リーマンショック以前において、実際に銀行部門が安全な環境下にあったのかをデータによって裏付けること、(2)銀行預金以外の手段が利用可能な状況下でも同様の結果が得られるのかなど、議論の補強を行った。なお、修正・再提出された論文については、代表者の所属する京都大学大学院経済学研究科の付属プロジェクトセンターのディスカッションペーパーシリーズに修正稿として再公表した。 もう1本の論文、“Prudential capital controls or bailouts? The impact of different collateral constraint assumptions”(論文2)については、国際学会での発表後、韓国のシンポジウムから講演依頼をうけ、発表した。当該論文については、海外からの研究者のアドバイスを受け、論文の結果をさらに強固にするため、これまでの離散時間にもとづく分析に加え、連続時間による分析を追加するなど、より詳細な追加分析をおこなった。追加分析を含めた論文は、論文1と同じくプロジェクトセンターのディスカッションペーパーシリーズに修正稿として再公表した。
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