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2012 Fiscal Year Research-status Report

ガバナンス体制の違いによる企業価値への影響

Research Project

Project/Area Number 24730276
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

高橋 秀朋  法政大学, 経済学部, 准教授 (90583659)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsコーポレートガバナンス / 株式市場の規律付け / 銀行によるガバナンス
Research Abstract

本研究の目的は、どのようなガバナンスシステムが長期的な企業価値の向上に寄与し、どのような手段を通じ規律付けを行うのか、その手段は有効なのかを明らかにすることであった。当該目的を達成するために、本年度はデータベースの構築およびデータベースを用いた分析、初稿を書き上げる計画であった。
データベースの構築にあたっては、財務データ・株価データの加工に関しては完了したが、eolデータベースを利用した大規模株主の取引行動のデータベースの構築に関してはデータの形式等の問題で十分に活用できるにはさらなる時間がかかることが予想されたため、24年度は代替的に銀行データを利用して、企業の銀行に対する依存度を測定し、銀行依存が強いようなガバナンスシステムにおいては企業価値にどのような影響を与えるのかを検証した。
銀行・企業間の関係が市場における情報の質や株価に与える影響を検証した結果、銀行・企業間関係が長期に及ぶと株式市場における情報の質を低下させ、結果として株価の情報効率性を阻害するという実証結果を得ることができた。一方で、銀行・企業間関係が短期の場合、株式市場における情報の質の向上および株価の情報効率性をもたらすという結果が得られた。これは銀行依存が強いようなガバナンスシステムが長期にわたると、企業価値に負の影響を与えるということを示唆している。当該結論が得られた論文はJournal of Financial Services Researchに投稿し、掲載予定の状態である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定ではeolデータベースを利用し大規模株主の取引行動を把握する予定であったが、eolデータベースで保存されているファイルのフォーマット等の問題で加工に相当な時間がかかることが判明し、代替的にガバナンス構造の違いと株主価値の関係を検証していくアプローチを構築する必要性が生じた。そのような障害があったにもかかわらず、過去に構築したデータベースを利用して最終的に論文を掲載予定の状態にまで至ることができたという点では当初の計画以上に順調に進んでいるということができる。しかしながら、事前にデータのフォーマット等の把握などをできずに別のデータベースを利用する必要性が生じ、本来のアプローチによる検証ができなかったという点では達成度は十分といえず、それらを総合するとおおむね順調という評価になると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

24年度に1本の論文を掲載予定の状態にすることができたため、25年度も24年度と同様に少なくとも1本の論文を書き上げる予定である。上述したように、24年度においては、eolデータベースを利用し大規模株主の取引行動を把握するということが十分にできなかった。25年度は、eolデータベースで把握可能なすべての取引行動に注目するのではなく、企業の外部資金調達、配当政策に関連するいくつかの企業イベントに注目し分析を行っていきたいと考えている。それらに関連する投資家行動を把握し分析することで、当初に予定していたデータベースより小規模化することが可能であり、時間的にも25年度中に最終稿を仕上げることが可能であると考えられる。また、当該分析によっても、本研究の目的でもある大規模株主の市場規律付けの有効性を検証することが可能となる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

25年度においても、24年度と同様に、大規模なデータベースの構築・加工を行う。そのために、引き続きデータベース管理の機能があるSASを利用し、その更新料として\100,000程度の費用が必要となる。その他、より高度な時系列分析を行うため、統計量を自分で加工できるようにSASの行列言語パッケージIML(\200,000程度)を追加する必要がある。また、テキストエディット用ソフトScientific Workplace(\100,000程度)も消耗品(ソフトウェア)費として必要となる予定である。24年度と同様に論文の改訂・投稿に関わる費用が\50,000程度、海外コンファレンスにおける論文報告に必要となる費用が\150,000程度必要となる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] The effect of bank-firm relationships on sell-side analyst research: Evidence from financial deregulations in Japan2013

    • Author(s)
      Hidetomo Takahashi
    • Journal Title

      Journal of Financial Services Research

      Volume: - Pages: -

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Does tax-loss selling affect turn-of-the-year returns? Evidence from the 2003 capital gains tax regime change in Japan2012

    • Author(s)
      Hidetomo Takahashi
    • Organizer
      International Finance and Banking Society 2012 Conference
    • Place of Presentation
      Valencia, Spain
    • Year and Date
      20120618-20120620
  • [Remarks] 個人ホームページ

    • URL

      https://sites.google.com/site/htakahashi141a/

  • [Remarks] 法政大学学術研究データベース

    • URL

      http://kenkyu-web.i.hosei.ac.jp/Profiles/27/0002604/profile.html

URL: 

Published: 2014-07-24  

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