2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730276
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高橋 秀朋 法政大学, 比較経済研究所, 准教授 (90583659)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コーポレートガバナンス / 機関投資家の規律付け |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ガバナンスシステムや機関投資家の保有構造の違いが企業価値の向上にどのように寄与するかを明らかにすることであった。データベース活用の困難さから、25年度より方向性を変え、機関投資家の保有構造と深く関わりを持つ空売りが企業価値、株価にどのような影響を与えるのかを明らかにすることに注力した。具体的には、空売りを行う投資家が市場価格の情報効率性に寄与しているのか、それとも、価格を不安定にしているのかを、日経225の銘柄除外のイベントに注目し検証した。当該研究は、株主構成をどのようにし、価格の情報伝達機能を向上させるかというガバナンスとマーケット・マイクロストラクチャーの関連性の研究に貢献するものであり、重要なテーマのひとつでもある。 26年度は、昨年度投稿したJournal of Banking and Financeにおけるレフェリーの指摘、セミナー等における参加者からの指摘を参考に、論文を改訂することに注力した。具体的には、25年度における分析結果である「日経225の銘柄除外の公表後における投機的な空売りの存在」に関しては引き続き観察されるという結果を得たが、当該結果を示すにあたって、より高度な計量経済学の手法を用いて当該結果の頑健性を示した。また、論文の導入部を書き直し、貢献点があることを強調した。特に、日経225銘柄除外というイベントが私的情報による空売りが少ない期間であり、投機的な空売りが観測されやすい期間である点を強調した。その結果、Journal of Financial Marketsから1度の改定要求を経て、採択の通知を受けた。当該採択通知は、Journal of Financial Marketsがマーケット・マイクロストラクチャーのジャーナルの中で国際的に特に高い評価を受けているという点を鑑みても、非常に高く評価された論文であるということができる。
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