2013 Fiscal Year Research-status Report
不確実性下における企業の海外投資と資金調達に関する理論モデルの構築とその検証
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24730283
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
田 園 龍谷大学, 経済学部, 講師 (10609895)
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Keywords | 海外投資 / 補助金 / 法人税率の削減 / リアルオプション |
Research Abstract |
本年度の研究では,企業と政府間の戦略的相互依存関係を考慮に入れながら,海外投資誘致政策の有効性について,理論モデルを構築して分析を行った. 投資コストに対する補助金と法人税率の削減という2つの海外投資誘致政策の費用対効果を勘案して,より有効な政策が何かはキャッシュ・フローの不確実性に依存して決まることを明らかにした.具体的に,キャッシュ・フローの不確実性にある境界値が存在して,境界値より不確実性が大きいとき,補助金のほうがより有効であるが,境界値より不確実性が小さいとき,法人税率削減のほうがより有効である.この結果は,投資コストに対する補助金は投資時点に一括で生じるが,法人税率の削減は投資後キャッシュ・フローが得られる各時点において生じるという違いに由来する.また,理論結果から,現在各国で行われている異なる海外投資誘致政策は異なる不確実性の程度に応じたものと解釈できる. 上記の研究成果を"Optimal policy for attracting FDI: Investment cost subsidy versus tax rate reduction"としてまとめ,国際学会26th European Conference on Operational Researchにおいて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の一つ,「企業と政府間の戦略的相互依存関係を考慮に入れながら,海外投資誘致政策の有効性」について,研究成果が得られた.また,学会報告してフィードバックを得ることもできた.よって,本研究は予定通り概ねに順調に進展していると結論付けた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,理論モデルのインプリケーション及び実証研究との関連性について,さらに深く考察する予定である.そして,国際学術雑誌に投稿・掲載することによって,研究成果を発信する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に購入する予定のデータベース日経NEEDSは,大学の社会科学研究所のPCルームにおいて利用可能と判明し,別途購入しないことにしたため,未使用額が生じた. 次年度は本研究課題の最終年度であるため,学会発表・報告を積極的に行いたいと考えている.未使用額はその経費に充てることとしたい.
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