2014 Fiscal Year Research-status Report
不確実性下における企業の海外投資と資金調達に関する理論モデルの構築とその検証
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24730283
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
田 園 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (10609895)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海外投資 / 補助金 / 法人税率の削減 / リアルオプション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では,企業と政府間の戦略的相互依存関係を考慮に入れながら,海外投資誘致政策の有効性について,構築した理論モデルのさらなる精緻化を図り,分析したうえ,より豊かな示唆を与えた. 海外投資を誘致するため,投資コストに対する補助金と法人税率の削減という2つの政策の費用対効果をリアルオプションのアプローチを用いて分析した.先行文献の分析結果では,投資コストに対する補助金のほうが常に法人税率の削減より有効である.しかし,現実では,投資コストに対する補助金も法人税率の削減も行っている国・地域がある.本研究では,先行文献では考慮しなかった企業と政府間の戦略的相互依存関係を価値関数の形でモデルに取り込み,どの政策が有効かは一概に言えず,キャッシュ・フローの不確実性に依存して決まることを明らかにし,より現実的な結果を導いた.また,先行文献のYu et al. (2007), Sarkar (2012)とのモデル・結果比較及び数値例を通して,モデル示唆を豊かにした. 上記の研究成果を論文" Optimal policy for attracting FDI: Investment cost subsidy versus tax rate reduction "の修正に反映し,オペレーションズリサーチ学会北海道支部・サマースクール2014及び国際学会INFORMS Annual Meeting San Francisco 2014において発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果が得られたものの,論文修正及び国際学術雑誌への投稿が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
実証研究との関連性を考察したうえ,国際学術雑誌に投稿し,研究成果を発信する.
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Causes of Carryover |
論文修正及び投稿手続きが遅れてしまい,研究成果の発信を十分に行っていなかったため,未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実証研究との関連性を調査し,修正版を学会報告を積極的行い,早く国際学術雑誌に投稿したいと考えている.未使用額はその経費に充てることとしたい.
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Research Products
(5 results)