2013 Fiscal Year Annual Research Report
第一次世界大戦期ドイツの都市失業扶助―総力戦体制と「社会都市」―
Project/Area Number |
24730297
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
森 宜人 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (10401671)
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Keywords | 戦時失業扶助 / 社会都市 / 第1次大戦 / ハンブルク / 民間慈善団体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第一次大戦期ドイツにおいて都市失業扶助が普及し得た歴史的コンテクストとその運用自体を明らかにし、総力戦体制と「社会都市」の関係性を解明することである。この研究を通じて、これまで専ら国家的介入の本格化としてのみ捉えられてきた総力戦体制を都市史の視角から問い直すとともに、「社会国家」形成の重層的なプロセスを明らかにし、「長い20世紀」の歴史を把握する上での都市史研究の意義を問いかけることを目指す。 平成25年度はまず、平成24年度に実施したハンブルク国立図書館およびハンブルク州立公文書館で実施した史料収集の成果をまとめ、第一次大戦期ハンブルクにおける民間慈善団体「ハンブルク戦時救済」(Hamburgische Kriegshilfe)による戦時失業扶助の事例研究を進めた。その成果を、平成25年6月に東京大学で開催された社会経済史学会第82回全国大会自由論題報告において、「第一次大戦期ドイツの失業扶助―ハンブルクを事例として―」として発表した。 本報告において得られたフィードバックを研究に反映させるため、平成25年8月に再びハンブルクで史料収集を行い、その成果を取り入れた論文「戦時失業扶助と『社会都市』―第一次大戦期ハンブルクを事例として―」を平成25年10月に『社会経済史学』に投稿した。 同論文は、レフェリーの査読所見にそくした修正を経て、平成26年5月刊行予定の『社会経済史学』第80巻第1号に掲載されることが決定した。平成25年度の後半は、上記論文の修正作業をふまえつつ、研究の最終的な取りまとめを行った。
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