2012 Fiscal Year Research-status Report
日本企業における研究開発拠点の立地戦略に関する研究
Project/Area Number |
24730314
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
竹中 厚雄 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (30363899)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際経営 / 経営戦略 / 技術経営 |
Research Abstract |
平成24年度は下記の研究および作業を実施した。 1、文献収集・サーベイを通じた分析枠組みと作業仮説の提示 2、特許データベースを利用した日本の製造業の技術開発活動に関するデータベースの作成と分析作業 2の作業については,NBER(National Bureau of Economic Research)パテントデータベースの2006年更新版を利用し,日本の大手エレクトロニクス企業における技術開発の実態について,企業レベルの経時的なデータの整備および分析を行った。その上で,1・2を総合する形で次の論文を執筆した。「日本企業における技術の多角化のプロセス」『滋賀大学経済学部研究年報』第19巻,105-115頁(平成24年11月)。 この研究論文では,1987年から2006年までの20年間の特許登録データの分析の結果,日本の大手エレクトロニクス企業においては当該期間中一貫して技術開発活動の全体的な量的拡大(特許登録件数の増加)が着実に進んでいることが明らかになったが,一方で,1990年代後半から2000年代前半にかけて,全体的な傾向としては技術開発分野の絞り込み(特許の技術分野の絞り込み)が生じていることが明らかになった。また,このような傾向は,それ以前の時期に技術開発の多角化を進めてきた企業において進んでいることを実証的に明らかにした。今後はこの成果を再度検討した上でさらに研究を進め,査読つき学術雑誌等への投稿について検討していきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本企業の技術開発活動に関するデータの収集・分析作業は順調に進展している。また,学内紀要ではあるが,研究の途中経過についてアウトプットとしてまとめることができた。以上から,研究はおおむね順調に進展しているものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,既に整備したエレクトロニクス企業の特許登録状況に関するデータを,研究開発拠点の国外における立地状況データと接合し,分析を進めていきたい。そのため,研究開発拠点の国外立地に関するデータについて,東洋経済新報社編『海外進出企業総覧』や,その他さまざまなデータベースを多角的に利用し,整備していきたい。 また,産業間比較という観点から,自動車,化学・医薬品など他の製造業の企業についても同様の分析作業を進めるとともに,特許の引用データの収集・分析など,追加的に特許データの収集および分析作業を進めることも考えている。さらに,これらの作業とあわせて適宜企業へのインタビュー調査を実施することも計画している。 以上のデータの分析と,文献・学術論文等の先行研究サーベイとをすり合せながら,研究内容の充実をはかっていきたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,データベースの購入・整備費用,理論的研究に必要となる文献・学術論文の購入費用,および企業への訪問調査費用として研究費を使用する計画である。
|
Research Products
(1 results)