2013 Fiscal Year Research-status Report
日本企業における研究開発拠点の立地戦略に関する研究
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24730314
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
竹中 厚雄 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (30363899)
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Keywords | 国際経営 / 経営戦略 / 技術経営 |
Research Abstract |
平成25年度は、下記の研究を行った。 1、多国籍企業の存在を説明する先行研究の文献サーベイ 2、日本企業の技術開発活動に関する特許データの収集と解析 特に1の研究については、多国籍企業の企業の境界をめぐる理論的研究を先行研究として取り上げ、次のレビュー論文を執筆した。「多国籍企業における企業の境界の理論的視角」『彦根論叢』第398号、110-123頁(平成25年12月)。 この研究論文では、多国籍企業における企業の境界の決定に関する主要な理論的視角をレビューし、それぞれの特徴を明らかにしている。特に、多国籍企業の存在を説明する代表的理論である内部化理論と知識ベースの多国籍企業理論についてその理論的特徴を検討した上で、多国籍企業の企業の境界決定に関する両者の見解の相違点について浮き彫りにしている。また、論文の中では、より最近の企業の境界をめぐる関連研究の特徴にも言及している。これらの先行研究のサーベイからは、日本企業の研究開発拠点の立地の動向や戦略・組織の分析に関する重要な理論的示唆を得ることができたと考えている。 以上の研究成果を踏まえながらさらに研究を進め、引き続き学術論文の執筆を行うとともに、特に査読つきの学術雑誌への投稿を進めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本企業の技術開発活動に関するデータの収集・分析作業、および関係する先行研究のサーベイは順調に進展している。勤務先の大学の学内紀要ではあるが、その研究の途中経過について実績として論文にまとめることができた。このことからも、研究はおおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、エレクトロニクス産業を中心として整備作業を進めている特許登録状況に関するデータベースについて、他の業種にも広げることを考えている。特に今後は、広義の電気機械産業、および化学、医薬品産業などとの産業間比較および共通して見られる特徴などについて検討を進めていきたい。 また、単純な企業の特許取得状況に関する分析だけではなく、特許の引用データを知識の移転の代理指標として分析に加えることも検討している。 今後は、以上のデータの収集・分析作業を進めるとともに、関連する先行研究サーベイを同時並行的に行い、研究成果をより充実したものにしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一部の購入に時間のかかる洋書について、年度内の納品が間に合わなかった。また、企業データベースの整備作業の内容について、年度を越えて再度検討し直す必要性を認めたため、一部助成金について次年度に使用することとした。 消耗品費および企業等諸機関への訪問旅費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)