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2012 Fiscal Year Research-status Report

ユーザーイノベーションプロセスの構造特性に基づく新製品開発の研究

Research Project

Project/Area Number 24730317
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

中村 友哉  広島大学, 社会(科)学研究科, 特任講師 (20618128)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsイノベーション / リードユーザー / プロセス構造
Research Abstract

本研究は、イノベーションはいかに生み出されるのか、という問いに対して、特にリードユーザーと呼ばれるユーザー層に着目し、その開発の流れを明らかにするとともに、企業でのイノベーション開発に新たな視点をもたらすことを目的としている。
既存研究から、イノベーションには複数のパターンが存在することが明らかとなっているが、本研究が分析対象とするユーザーイノベーションはイノベーションの1つのパターンとして明らかにされたもので、そこではイノベーションを起こす主体がユーザーであることが明らかにされてきた。1970年代後半以降、ユーザーイノベーション研究は、多くの研究蓄積をもたらしたが、公式組織を有するメーカー側で行われる通常の開発活動とは異なる、ユーザーによる製品開発中に何が行われているのか、あるいはユーザーによる開発活動はどのように進行するのか、またそこではどのような要因が重要となるのかといったプロセスの動態的な側面については明らかにされてこなかった。そこで、本研究ではこうした問いに取り組むことで、ユーザーによるイノベーションのプロセスを明らかにするとともに、企業が新たに進めている価値共創型の製品開発をユーザー視点から検討している。
こうした問題意識、目的のもと、今年度特に重視したのは、理論面での精緻化及びその拡充である。具体的には、近年、マーケティング研究で注目を集めるSDロジックや、戦略研究におけるビジネスモデルやエコシステムの議論、或いは認知科学や行動経済学の成果を取り入れ、ユーザーイノベーションプロセスのモデル作りに取り組んだ。また、企業における価値共創型の製品開発の実態調査を進めている。
近年経営学分野では、グローバル化やIT化を背景に、共創や協業についての新たな知見が蓄積されてきているが、本研究はこうした研究の流れに新たなフレームワークをもたらすものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、筆者がこれまで行ってきた研究成果をとりまとめ、学会報告や論文投稿を通じてモデルの修正、精緻化を行うことを目的とした。
上記目的について、モデルの精緻化作業を進めることができたという点では研究目的を達成することができた。
ただし、組織学会での研究報告や他大学の研究者との研究交流などを通じた意見交換を通じて、当初の予定よりも大きなモデルの修正が必要であることが明らかとなった。本年度はこのため、マーケティング論や行動経済学等、これまでの研究枠組みに取り入れてこなかった理論の可能性を文献研究や学会への参加を通じて広く探った。この部分の作業に当初の予定よりも多くの労力を割くこととなり、予定していたもう一つの目的である、企業へのインタビュー調査を通じたユーザー参加型の新製品開発の取り組みについての情報収集が遅れる結果となった。進め方に問題があったことを認識しており、次年度はこの反省を活かす形で研究を進めていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後も継続的に、ユーザーによるイノベーションプロセスのモデルに関する研究成果をより精緻化していくとともに、この成果を組み込む形で企業の新たな製品開発活動に関する分析枠組みの雛形を構築する。
また、企業で行われている価値共創型の製品開発についてのインタビュー調査を重点的に行う。インタビュー調査は主に、企業で行われている従来とは異なる製品開発の実態調査に焦点を当て、分析枠組みの構築とインタビューでの実態調査を同時に行うことで、理論と実践を行き来しながら研究を進める。また、継続的にインタビュー対象企業へフィードバック・レポートを作成し、継続調査に備えて対象企業数を増やす努力を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度の研究経費のうち、物品としての図書及び雑誌を理論調査に用いる。また、旅費は主にインタビュー調査において、東京、大阪を中心に出張を行う。25年度はインタビュー調査対象企業を増やすため、初年度よりも出張回数が増える予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 市場創造型新製品開発におけるプロダクト・チャンピオンの研究-花王のヘルシアブランドに関わる事例考察-2013

    • Author(s)
      藤井誠一,中村友哉
    • Journal Title

      広島大学ディスカッションペーパー

      Volume: 24 Pages: 1-21

  • [Journal Article] 製品開発プロセスにおけるアーキテクチャと情報の粘着性の対応関係2012

    • Author(s)
      中村友哉,山口隆久
    • Journal Title

      社会情報研究

      Volume: 10 Pages: 15-30

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ユーザーイノベーションプロセスの解明-リードユーザーによる製品開発プロセスのモデル-

    • Author(s)
      中村友哉
    • Organizer
      組織学会
    • Place of Presentation
      立命館大学びわこ・くさつキャンパス

URL: 

Published: 2014-07-24  

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