2013 Fiscal Year Annual Research Report
キャリア発達と意味形成の関連性に関する国際比較論的実証研究
Project/Area Number |
24730329
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
李 超 大阪国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10614646)
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Keywords | キャリア発達 / キャリア形成 / 転職 / コミュニケーション / 意味形成 / トランジション / 非合理的志向 |
Research Abstract |
本研究は、日本企業と中国企業のキャリア形成とコミュニケーションによる意味形成の関連性を定量的、定性的に分析し、その特徴を比較文化論的に解明して、労働市場や人材の流動化に対応した企業の効果的な人材育成に対する実践的なキャリア開発モデルを提示することを目的としている。 そこで、本年度は、昨年度の研究成果に基づき、さらに外資系中国企業と日本企業の従業員のキャリア行動に関して質問紙調査を行った。また質問紙調査による定量的分析では捉えられないキャリア形成過程についてインタビュー調査を行い、特に、転職や人生の危機ないし節目などで大きく飛躍するキャリア発達過程を分析した。これらを統計処理し、日本企業と中国企業の従業員のキャリア形成過程のそれぞれの特徴を比較文化論的に解明することを試みた。 具体的には、まず昨年度で作成した質問紙調査表を使用して、日本企業と外資系中国企業の従業員に配布、回収を行った。この調査結果を昨年度の調査結果と比較することで、日本と中国のキャリア発達のそれぞれの特徴の違いを分析した。次に質問紙調査票に回答し協力してくれた方々にインタビューを行い、彼らが転機や節目などの危機が起こった時に、それを乗り越えるために、他者(同僚や上司、友人など)とどのようなコミュニケーションを行い、危機をどのように意味づけ新たな意味を形成したかについて分析し、トランジションにおけるキャリア形成過程について解明した。最後に、本研究に協力した企業の方々にフィードバックし、また学会で報告し、論文を作成して成果を発表した。特に、日本の経営学関係の学会誌に投稿した。 今年度の取組みにより、企業の従業員のキャリア発達に対する本格的な質問紙調査とインタビュー調査を行うことができた。そして日中キャリア行動の特徴を解明でき、さらに流動化に対応するキャリア開発モデルの構築を大いに進展することができたと考えられる。
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