2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730335
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
菅野 洋介 東洋学園大学, 現代経営学部, 准教授 (00579980)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | デザイン・マネジメント / 組織設計 / 製品開発プロセス / 製品デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、企業における製品の根本的な差別化と競争優位の創出に貢献するような優れたデザインを創出するための組織的要件を明らかにすることである。とりわけ、本研究では、先進性や革新性の高いデザインの創出を促す、組織構造と開発プロセスの設計における重要な要件とメカニズムを解明することを目的としている。 最終年度となる今年度は、昨年度に実施した「デザイン・マネジメントに関わるアンケート調査」の結果の分析を行った。ここでは、既に回答を得ていた日本の製造業企業のうちグッドデザイン賞を受賞している43社に、韓国の製造業企業のうちグッドデザイン賞を受賞している38社から得られた回答を加えて、主に以下の2つの観点から分析を行った。 第1に、全社的なデザイン戦略、組織構造、デザインに関わる意思決定、製品開発プロセスに対するデザイン部門の関与範囲、デザイン部門と他部門の部門間調整などの要因が、最終的なデザイン・アウトプットの成果にどのような影響を及ぼすのか、クラスター分析を行った。分析の結果、デザインの重要性に対する認識が高く、デザイン活動の尊重度合いが高い企業グループほど、最終的なデザイン・アウトプットの質が高いという発見事実が得られた。 第2に、製品開発プロセスに対するデザイン部門の関与の仕方が、製品デザインの成果に及ぼす影響と、このデザイン部門による関与の影響が、産業の相違や組織要因によってどのように変化するのかを分析した。分析の結果、デザイン部門の機能分化が、デザイン部門の関与効果にネガティブな影響を及ぼすことや、デザイン・ポリシーの策定やデザイン部門が最終決定権をもつことが、デザイン部門の関与効果にポジティブな影響を及ぼすことなどが発見事実として得られた。 本研究では、これらの研究成果を、国内(1件)・国外(1件)の学会で報告するとともに、国内の学術雑誌に投稿・掲載した。
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Research Products
(6 results)