2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730338
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岩谷 昌樹 東海大学, 政治経済学部, 教授 (70366003)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際経営 / デザイン思考 / 経営戦略 / デザインマネジメント / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
「国際経営戦略におけるデザイン思考の組み込み」という研究課題のもと、各種関連施設を訪問したり、各県の販売現場での顧客トラッキングから知見を得たり、洋書を中心とした文献サーベイから論理展開を見出したりすることに注力してきた。 最終年度にあたる本年度では、こうした研究活動の取りまとめとなる論文を執筆した。 本研究の根底にある大きな問題意識が「デザインマネジメント(ないしデザイン戦略)」と「国際経営(ないし国際ビジネス、グローバル企業)」という2つの研究分野の接合点は何処に在るか?というものであり、それを探り出す内容の論文となっている。 一般にデザインとビジネスは、右脳型・左脳型という区別で理解がなされる。創造的な活動を行うデザイナーは感性に長けているので右脳型であり、数字的データに基づき論理的に考えるマネジャーは左脳型であると見なされる。つまり定性的調査を好み、自らの活動をアートと捉えるデザイナーとは正反対に、定量的調査を重視し、自身の活動はサイエンスであると見なすマネジャーが存在しているのである。 こうした両者のコンビネーションにより、グッドビジネスやグッドデザインが登場する。それをつなぎ合わすことができるのが「デザイン思考」という人間中心のイノベーションを実現するための方法論である。デザイン思考は現在、ビジネス思考において最も影響力のある新しいトレンドとして注目される。このデザイン思考は統合思考(インテグレーティブ・シンキング)に基づいたイノベーティブプロセスをたどるので、ニーズやビジネス機会を発見でき、問題を解決できる。特にニーズの中でも「外側のニーズ(manifest needs:満足できうるもの)」ではなく、「内側のニーズ(latent needs:顧客が未だ気づいていない真のニーズ)」を明らかにすることができる。
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