2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24730342
|
Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
森永 雄太 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (70585439)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | リーダーシップ開発 / ジョブ・クラフティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本企業が取り組むリーダーシップ開発のうち、キャリア初期の従業員を対象とした取り組みに焦点を当てた上で以下の2点について明らかにすることを目的としている。第1に、キャリア初期の従業員に対するリーダーシップ開発について、日本国内全体の動向を明らかにすることである。第2に、キャリア初期の従業員のリーダーシップ開発における課題である自己調整力が開発される過程を明らかにすることである。 3年計画のうちの3年目となる平成26年度は、大きく分けて2つの進捗があった。第1に、1つ目の研究課題に関するこれまでの研究成果の一部を用いて英語論文の執筆を進めた。 第2に、D病院におけるサーベイ調査の実施およびすでに実施済であったC社の調査結果を分析し、国内外の学会へ報告の応募をし、採択された。 研究進捗がもたらす意義は以下のとおりである。まず、現在の日本企業で実施されているリーダーシップ開発の取り組みの現状について概要を把握することができた。また、日本の企業が抱くリーダーシップに対する考え方が変化しつつある可能性が指摘された。具体的には、リーダーシップは経営層や管理職層にとどまらず、より多くの従業員によって役割を変えながら発揮されていることが示された。このような知見は、米国型とは異なるリーダーシップ開発の枠組みがありうることを示唆している。本研究の研究成果をもとに、キャリア初期の従業員も対象とした日本独自のリーダーシップ開発の取り組みが実施されることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
3年計画の3年目であった平成26年度は、前年の進捗を受けて英文の学術論文の執筆を進めた。計画では年度内に投稿を完了する予定であったが、投稿を完了するまでには至らなかった。その理由は、スクリプト段階で執筆の構成に関わる有益なコメントを得ることができた一方で、その対応に予想以上に時間を要したためである。平成27年度にディスカッションペーパーとして執筆を完了し、平成27年4月に投稿を行い、査読プロセスを進めていく予定である。また、C社とD病院における調査結果についても早期の研究発表を想定していたが、多様な分析アプローチを試みる際に時間を要したため、平成27年度へとずれこんだ。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、研究成果のアウトプット段階において進捗の遅れが生じてきた。そのため3年計画を1年延長し、研究を推進していく予定としている。平成27年度は、英語論文の投稿と学会発表を中心に進めていく予定である。具体的には、4月中にJournal of International Business Researchへと投稿する。また平成27年5月の欧州における産業組織心理学会、国内では6月の組織学会においてそれぞれ分析結果の一部を報告する予定である。なお両学会における報告については、平成26年度中に応募が完了し、採択済である。
|
Causes of Carryover |
計画が遅延した理由は大きく分けて2つである。第1に、D病院における調査の実施が12月までずれこんだこと。第2に、当初予定していた基礎的な分析に加えて発展的な分析方法が有効である可能性が判明したこと。このため分析にも予想以上の時間を要した。 結果として研究成果の報告が平成26年度内を実施することができなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画を延長した平成27年度は、論文投稿と学会報告を予定している。そのため論文投稿の際に必要となる英文校閲費や学会報告に関わる学会参加費、交通費などに充当する予定である。
|