2012 Fiscal Year Research-status Report
企業が成熟期から衰退期に陥るのを防ぐミドルマネジャーの自律的行動とその経営管理
Project/Area Number |
24730353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
三島 重顕 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (60454930)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 企業再生 / 経営管理 / ミドルマネジャー / コミットメント |
Research Abstract |
本研究は、ライフサイクルの成熟期にある企業が新たな成長を求めて新事業に進出する、又は既存事業から撤退する際、ミドルクラスの現場が新戦略に大きな事業リスクを認識しつつも、それをトップに認識させるのが困難な場合、衰退回避のために如何なる「自律的行動」を取るかを明らかにすることを目的としている。 2012年度は、先行研究から得られた仮説を念頭に、ミドルを中心としたリスク回避行動や戦略的事業撤退の質的調査から構成構造主義的に仮説立案し、その後、アンケート調査を実施する段階まで研究を進める予定であった。そのため、先行研究の分析とその結果に基づくアンケート内容の作成、ならびにアンケート調査に注力した。研究会のメンバーとともに夏ころまでにアンケートの叩き台を作成した後、調査先企業の担当者と複数回の協議を重ねた。その際、アンケート調査の結果で個人名が特定されないよう、質問内容や文章を修正しつつアンケート項目を決定した。 11月10日(土)、東京証券取引所一部上場企業の株式会社アインファーマシーズの「第86回薬局長会議」の場で、日本各地から集まったミドルマネジャー約300名に経営戦略・経営管理に関するアンケート調査を実施した。現在、収集したデータを整理し、定量分析を行っている。 また副産物として、代表取締役社長や大阪支店長に複数回のインタビューも実施し、A社が1990年代に直面した経営危機・企業再生に関する論文も執筆・公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、民間企業に経営戦略・経営管理に関するアンケート調査を実施することができた。現在、収集したアンケートデータの単純集計を終え、複数の方法で定量分析を行っている。 また、アンケートで尋ねる項目を精査していく過程で行ったインタビューから、副産物として「企業再生理論の検証―株式会社アインファーマシーズ(旧 第一臨床検査センター)の事例―」『大阪経大論集』第63巻.第4号(pp.151-173)を執筆・公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、収集したアンケートデータを詳細に定量分析し、研究結果を学会報告や論文といった仕方で公表していく。研究成果の公表とともに生じる様々な批判や意見を踏まえ、さらにブラッシュアップしていくことで、本研究の課題に対する一定水準以上の解を導き出したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は、アンケート調査のデータを詳細に分析し、ミドルマネジャーの経営戦略への関わり方と彼らの経営管理手法に関する論文を執筆する予定である(投稿先未定)。 また、上記の内容に関して学会報告を行う予定である(経営哲学学会の全国大会で検討中)。
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