2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730364
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伴 正隆 日本大学, 経済学部, 准教授 (50507754)
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Keywords | 新製品採用 / クラスタリング / ディリクレ過程混合 |
Research Abstract |
平成24年度に提案したモデルは消費者をクラスタリングする際のクラスター数を事前に設定する必要のあるパラメトリック・ベイズの手法を用いたものであった.これに対して本年度はノンパラメトリック・ベイズの手法を用い,モデルに含まれるパラメータとクラスター数を同時に推定するようにモデルを精緻化した.具体的には,階層ベイズプロビットモデルの消費者別市場反応係数に正規分布の無限混合分布を仮定するもので,このような無限混合分布はディリクレ過程によって生成している.このモデリングによって既存モデルではクラスター数選択の不確実性を含んでいたが,それぞれのクラスター数の可能性を考慮した推定値が得られる. 家庭用洗濯洗剤と台所洗剤のID付きPOSデータを用いた実証分析では,いずれのデータセットでも新製品の採用順に家計をクラスタリングした提案モデルが,それを行わないモデルに対して良好なモデルフィットと予測力をもつ結果を得た.その上で,それぞれのデータセットでの新製品採用家計のクラスター数,各クラスターの区切りとなる時期,クラスターごとの価格反応係数などを推定した. 新製品普及に関する企業戦略の一つに,新製品投入時に大きな値引きを行うことで消費者を既存製品からスイッチさせ急速に市場に普及させる市場浸透価格戦略がある.今回の分析結果である新製品採用時期に関するクラスターごとの価格反応は,この戦略の「いつまで値引き販売すべきか」の意思決定に役立つものである.
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