2012 Fiscal Year Research-status Report
専門店イノベーションと商品調達ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
24730365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
東 伸一 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (70368554)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究の目的「1.個別小売企業におけるフォーマット、2.流通課業環境の変化の2つの次元から専門店イノベーションの源泉を明らかにすること」に沿った分析枠組みを再整理し、活動を遂行した。分析枠組みの再整理にあたっては、本研究で言及する「専門店」とは何かを明確にするとともに概念としての小売フォーマットの操作化に重点を置いた。 主要研究活動のひとつは衣料品専門店チェーンに関連する関するマクロデータの収集整理である。次に、一定条件を満たした専門店チェーン群を抽出し、それぞれの小売行動の足跡についてテキスト、財務データその他によるデータベース化をおこなった。 実証面では、国内の衣料品専門店チェーンとそれらの(原材料や二次製品の)サプライヤーに対するインタビュー調査を反復的に実施し、それらに基づいたフィールドノートやワーキングペーパーを作成した。 研究報告については、◯日本商業学会全国大会 統一論題セッション:東伸一「専門店チェーンにおける商品調達ネットワークと価値共創プロセスの史的考察」(5月:北海商科大学) ◯SARD (Society for Asian Retail and Distributive Trades) 10th Workshop :Azuma,N."The Rise of Virtually Integrated Specialist Clothing Retail Multiples and its Implications to Retail Internationalisation"(12月:神戸流通科学大学)での学会発表をおこなった。現在、共著書籍2冊、フランス人研究者との共著論文2 本、翻訳・解説書1冊を執筆中であり、2013年12月までに脱稿となる。 研究を進める中で、本研究の特色であるマクロ・ミクロの連結指向および商品調達の2点に配慮している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年度における研究の進捗は概ね年度計画に沿っていたといえる。ただし、尖閣諸島をめぐる問題で中国のサプライヤーへのインタビュー調査およびサーベイ実施が困難になるとともに、現地の共同研究者との打ち合わせのための出張の実施が難しい時期が長期間にわたって継続したため、中国および香港における調査遂行とデータ収集が予定よりも遅れることになった。この点については現在、25年度の早い段階で遅れを取り戻すべく、再度スケジューリングをおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「現在までの達成度」にて記述した通り、中国華南地域にて実施を計画していた一部のインタビュー調査およびサーベイのスケジュール、そして資料収集のための現地大学での研究打ち合わせが延期となっているため、これらを2013年度の前半までに繰り下げ実施してゆく。これと並行して関連領域における文献レビューを再度整理し、本研究の研究成果報告としての単著の一部を構成する論文の執筆をおこなう。また、同時期に個別衣料品専門店チェーン(複数チェーン)を対象とした歴史事例を作成する。 夏期には研究協力企業を含めた衣料品専門店チェーンに対して、商品調達ネットワークを中心テーマとした小売フォーマットについてのサーベイを実施し、そのデータ分析をおこなう。ここまでの成果をACRA (全米大学小売研究学会)の研究大会および日本広告学会などで報告することを検討している。 国内外におけるインタビュー調査については、随時フォローアップ調査として実施する予定となっている。2013年度の後半は単著の執筆を兼ねて、本研究成果の報告の準備を進めたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記「現在までの達成度」セクションに記述したように、中国華南地域で予定していた種々な研究活動の一部の実行が延期となったことで、研究活動の遂行順序に変更が生じた。中国・香港でのインタビュー、サーベイ実施、研究打ち合わせのための出張を2013年度に延期せざるを得なかったため、代わりに2013年度に予定している専門店チェーンに対するサーベイの設計に向けた文献研究、(書面含む)インタビューとパイロット調査の実施を前倒しで実施したため、物品への支出が大きくなった。また、謝金については中国での調査実施、資料収集が2013年度前半に延期となったため今年度の支出はおこなわれなかった。 これらの事由により、2012年度に未支出となっていた290,232円についても当該作業の繰り下げ実施のために使用することになる。
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