2014 Fiscal Year Annual Research Report
情報創造過程としての消費者推論に関する包括的・複眼的研究
Project/Area Number |
24730368
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
福田 康典 明治大学, 商学部, 教授 (90386417)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 消費者の情報創造 / 価値共創 / プラクティス / プライバシー |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、昨年度展開した2つの研究方向をさらに発展させるとともに、情報創造過程の包括的、複眼的な研究のまとめを行った。1つ目の展開である情報創造時の信頼形成については、H25年度に意図せざる情報発信を取り扱ったのに対して、本年度はソーシャル・メディアにおける意図的・能動的な情報創造・発信へとその対象を拡張した。パイロット調査、調査票を使ったサーベイ、面接調査等を通じて得られたデータに対して多変量解析およびテキストマイニング分析を実施し、メディアや他ユーザーに対する信頼推論過程を考察した。その結果、信頼が習慣化された行動パターンの中に埋め込まれているということが確認された。これらは、国際学会での口頭報告及び国際学術誌での論文掲載という成果につながっている。 2つ目の展開は、情報創造行動の分析枠組みへの社会学的な視点の取り込みであり、これについて本年度は前年度に有益な社会学的視点の一つとして取りあげたプラクティス理論をさらに深掘りし、これを情報創造研究に適用することの有用性について理解を深めた。特に、1つ目の研究展開との関わりの中で、情報創造行動が社会的に習慣化された行動体系の観点から説明される必要があることが把握できたため、その受け皿としてプラクティス概念をベースとした研究枠組みが有用であることを確認することができた。これらは、在外研究先であるカーディフ・ビジネススクールでの研究会報告(非公式)や国内学術誌での論文掲載という成果につながっている。 本研究は、初年度に消費者の情報創造行為の場を概念化するために価値共創概念の検討を行い、H25年度にはそこから2つの方向に研究を展開していった(情報創造時の信頼形成に関する研究と社会学的分析視角の取り込み)。そして最終年度では、プラクティス理論をベースとした研究枠組みの可能性を論じる中でこれら2つの研究展開をまとめる作業を行った。
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Research Products
(4 results)