2013 Fiscal Year Annual Research Report
サービス、営業、販売職に就く人々のパフォーマンスを向上する組織のダイナミクス
Project/Area Number |
24730371
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
福冨 言 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (80387993)
|
Keywords | 商学 / 販売 / 営業 / サービス / 人的資源管理 |
Research Abstract |
この研究は、サービス、営業、販売職に就く人々のパフォーマンスを向上するための組織施策を検討するものである。ここでいうパフォーマンスとは、優秀な従業員の長期勤続意志、顧客志向、サービス水準などのことである。これらに影響する要因として、組織のビジョン、リーダーシップや公正性に注目した。実務的な視点に基づくと、これらの要因はコントロール可能と考えたからである。大規模なサンプルを収集して定量的分析をおこない、パフォーマンスを高める要因を探った。研究計画に基づき、約2,500票のサンプルは前年度後期に収集済みであり、当年度(最終年度)は主に産業横断的な大規模サンプル(1,500票以上)とフードサービス業に就くサンプル(500票以上)を用いた定量的な分析をおこない、成果を発表した。 産業横断的なサンプルは、金融業や教育サービス業などの構成比が(日本の構成比および調査会社のモニター構成比よりも)大きく、最終顧客に対するオペレーションにも従事していないサンプルが多かったのに対し、フードサービス業のサンプルは6割以上がフロントラインのオペレーションに就く。サンプルにはこのような違いがあるにも関わらず、いくつかの結論を導くことができた。 たとえば、組織的なビジョン共有の効果や様々なタイプのリーダーシップの効果(と逆効果)が明らかにされた。組織や従業員、顧客が志向するオペレーション(標準的なものを求めるか、個別的なものか)によって、これらの効果が変容することも検証した。 リーダーの役割と比較した準拠集団の役割の重要性を検証したもの、組織的なビジョンの共有の重要性に対してリーダーによるビジョン提示がもつ逆機能を明らかにしたもの、営業職に就く人たちの組織内意思決定におけるパワーがもつ危うさ、などについて、6回の学会発表(うち海外4回)、2篇の論文発表をおこなった(共著を含む)。
|