2014 Fiscal Year Research-status Report
エージェント・シミュレーションによるスーパーマーケットレイアウトの最適化
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24730374
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
宮崎 慎也 福岡大学, 工学部, 助教 (70611995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 顧客動線 / スーパーマーケット / エージェントシミュレーション / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,(1)グラフ理論を用いたスーパーマーケットの視界の解析 (2)欧州スーパーマーケットの店舗レイアウトの分析 (3)日本のスーパーマーケットの店舗レイアウト調査の研究を行った。 (1)グラフ理論を用いたスーパーマーケットの視界の解析では、スーパーマーケット内の棚や通路の配置などの物理的環境を定量的に調べる研究を行った。具体的には、店舗内に複数の顧客エージェントが存在することを仮定し、これらの視線の関係を計算機上でグラフとして再現するモデルを開発した。その上で、それぞれのエージェントの存在する位置の視界環境の特徴を、グラフ理論の指標(クラスター係数、近隣サイズ)を用いて評価できるようにした。さらに、モンテカルロ法を用いたシミュレーションによって、位置の特徴を色分布図としてビジュアライズする方法を開発した。 (2)欧州スーパーマーケットの店舗レイアウトの分析では、平成24年度に行った、欧州スーパーマーケットの店舗レイアウト調査(イギリス(ロンドン)3店舗、フランス(パリ)2店舗、イタリア(ミラノ)2店舗)から5店舗を選択し、(1)のモデルを利用して、店舗レイアウトの特徴を比較した。棚の配置や、通路の幅の違いによって、エージェントの視界の特徴が違うことが、簡単に視覚的に把握できるようになった。 (3)(2)に加えて、日本のスーパーマーケットの店舗レイアウト調査3店舗を行い、データ化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では平成26年度は、商品配置の最適化手法の構築とエージェント・シミュレーションによる店舗レイアウトの評価を行う予定であった。現在の進捗状況は、店舗レイアウトの評価手法については、店舗内を移動する顧客にとって最も重要な視界環境の変化に着目し、店舗内の様々な位置にいる顧客エージェントの視界環境を評価する方法を開発し、ビジュアライズし把握することが可能になった。この評価モデルを利用することで、最適化への道筋がついた。現在この成果と、顧客動線のデータを比較しながら、最適化の手法の開発について進めているところであり、概ね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
顧客エージェントの視界環境の評価と顧客動線のデータを比較することで、その関係を分析する。一方、これまで開発してきた顧客エージェントの店舗内の視界環境評価モデルを用いながら、アニーリングなどの最適化手法を利用して、店舗のレイアウトの最適化モデルの構築と、シミュレーションシステムの構築を行う。
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Causes of Carryover |
論文誌への投稿が、調査のデータ化等の遅れのため遅延しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度はの研究費は、主に論文発表や研究打ち合わせのための旅費、その他英語翻訳,論文投稿費などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)