2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730383
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
木村 晃久 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (80585753)
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Keywords | 財務会計 / 経常利益 / Value Relevance / 利益平準化 / 損益項目のシフト / 利益マネジメント |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度の研究を引き継ぎ、「シフト可能項目」としてとくに金額的重要性が高く、かつ、営業外損益の区分を特別損益の区分のどちらにも実際に開示されていることが判明した、退職給付会計の「会計基準変更時差異」について、これを利用した経常利益の平準化行動によって、経常利益情報の有用性が高まるか否かについて検証をおこなった。検証の結果は、この平準化行動によって、経常利益情報のValue Relevanceが高まることを示唆するものであった。なお、これについては、雑誌『會計』第184巻第2号(2013年8月)に「損益項目の表示区分選択、経常利益の平準化と区分損益情報のValue Relevance―退職給付会計における会計基準変更時差異を題材として―」として公表している。 その後、平成24年度に検証対象とした「固定資産処分損益」について、経営者の表示区分選択行動をより深く掘り下げて考えることを目的として、経営者が取引の性質に応じて表示区分を選択しているか否か、具体的には、「固定資産処分損益」の発生頻度が高い企業の経営者ほど、経常損益(営業外損益)に区分するか否か、検証してみた。検証の結果は、経営者が「固定資産処分損益」の表示区分選択を、取引の性質に応じてはおこなっていないことを示唆するものであった。これについては、2014年3月8日に開催された「横浜国立大学会計研究会」において、「経営者による損益項目の表示区分選択―固定資産の処分損益を題材として―」として研究報告をおこなっている。
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