2012 Fiscal Year Research-status Report
組織間における会計情報の利用実態に関する経験的研究
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24730387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大浦 啓輔 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (20452485)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 管理会計 / 組織間管理会計 / 組織間マネジメントコントロール / バイヤー・サプライヤー関係 / 企業間関係論 / 信頼 |
Research Abstract |
本研究は,取引関係にある複数企業で共有される会計情報の利用実態を明らかにし,それが組織内外の管理会計実践に与える影響を解明することを目的として実施している。本研究の研究意義および重要性は、製造のグローバル化やサプライチェーンの複雑化がますます進み、組織間における相互依存性がますます増加している昨今の経営環境において、会計情報が複数の組織間に介在する相互依存性を管理するためにどのような意義や役割を有しているのかについて明らかにする点にある。 今年度は,当初計画に基づいて、本研究全体のベースとなる記述的研究および比較ケース研究のためにインタビュー調査を実施するとともに、その記述的分析に注力した。また、こうしたインタビュー調査の実施と並行して,継続的に文献レビューの実施を行った。インタビュー調査においては,焦点企業としてセットメーカー(アセンブリ企業)と,その取引関係にあるサプライヤー企業(複数)の双方からのアプローチを行った。また、サプライチェーンを構成する上で重要な役割を果たす物流企業とその取引関係にある製造企業を分析対象としてインタビュー調査を実施した。その内容については、2011年3月に発生した東日本大震災からの復旧にあたっての設備投資計画の策定と実行の局面において当該分析対象企業が協働するプロセスについて詳細なヒアリングを行った。このインタビュー調査は今後も継続的に行うが、本年度の成果として上記のインタビュー結果について日本管理会計学会関西・中部部会において報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,当初計画に基づいて、本研究全体のベースとなる記述的研究および比較ケース研究のためにインタビュー調査を予定通り行い、ヒアリングに基づく知見について学会報告を実施するなどおおむね順調に進展できたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降も継続的にインタビュー調査を実施するが,平成25年度の前半を目処に,記述的研究の成果をまとめる予定である。また既存研究のレビューについても継続的に実施する予定である。また、ある程度インタビュー調査からまとまった知見が得られた段階で,ケースの比較検討(比較ケース研究)を行い、会計情報の共有や利用動態に差があるとすれば,どのような規定要因が影響しているのかを分析する予定である。ある程度インタビュー調査が進み,研究成果が明確化して来た段階で,国内の学会での報告を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現時点での調査対象が全て東京都に本社を置く企業であり、彦根-東京間の交通費および宿泊費等、インタビューのための調査旅費が必要である。インタビューだけでなく国内外の学会での研究報告や打ち合わせ等での旅費にも充てる予定である。物品費としては、論文執筆のためのオフィスソフトやデータ分析のためのソフトウエアの更新、データの格納のためのハードディスク、データメディア等に利用する予定である。また関連する書籍等についても随時購入する予定である。またその他として、インタビューデータのテープ起こしやデータ入力等の費用として利用する予定である。
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Research Products
(1 results)