2012 Fiscal Year Research-status Report
BSCが組織成員の戦略意識に及ぼす影響および戦略意識の特性に関する実証的研究
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24730391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邊 直人 早稲田大学, 商学学術院, 助教 (70434272)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バランスト・スコアカード / 認知 / 行動意識 / 目標達成 / 心理構造 / アンケート調査 |
Research Abstract |
バランスト・スコアカードを活用している組織を対象とした定量的・定性的な調査により、多面的な業績目標の達成につながる個人の心理構造の解明を試みた。具体的には、敬愛会中頭病院・ちばなクリニックおよび福井県済生会病院(五十音順)を対象としたアンケート調査、ならびに両組織の経営企画部または医事課などに属するバランスト・スコアカード担当者を対象としたインタビュー調査を実施した。 分析モデルは当初予定したものを拡張し、認知、行動意識、および成果(目標達成)の3つのレベルからモデルを構築しこれを分析したことでより示唆に富む研究成果を提示することができた。定量分析による結果はおおむね仮説どおりの結果を得たが、一部の反証結果から新たな発見事項が確認された。それは非財務的な行動意識(具体的には、患者満足や患者プロセスに対する改善意識)が多面的な目標達成度合いに結びつかないという事実である。この点は、バランスト・スコアカードの活用方法によっては組織成員の非財務的な行動の動機づけに影響を及ぼさない可能性があるという既存研究の発見事項に合致しており、これを個人の心理構造的な側面から実証的に確認できたことは理論的に大きな意義があると考えられた。また、アンケート調査組織での経年的な調査データが蓄積されたことによって、財務意識や非財務意識の経年変化についてその傾向の実態を確認することができた。当該データを今後の追加的な経年調査に結びつけることで、バランスト・スコアカードの活用方法の変化と行動意識の変化との関係を分析したいと考えている。 当該年度に実施した研究調査から得られた主要な成果は、当該年度に開催された日本原価計算研究学会・第38回全国大会にて報告し同学会誌である『原価計算研究』に論文として投稿し受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画どおりに調査を遂行できたため、当該年度内で明らかにしたいと考えていた課題をおおむね検討することができた。ただし、当初予定していた分析モデルを拡張したことで新たな研究課題を発見した。具体的には、非財務的な行動と多面的な目標達成度合いとの関係であり、この点は当該年度内の未解決の課題として残された。しかしながら、当該課題はあくまでも分析モデルの理論的な発展を目指す過程で発見された本研究テーマと密接に関連する重要な研究課題であると捉え、これを今後の研究調査で解決していく必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の研究計画・方法に則って研究調査を遂行していく予定である。経年調査の観点から福井県済生会病院などの調査対象を軸としたアンケート調査を実施し、バランスト・スコアカードの活用方法の変化と多面的な業績目標の達成につながる心理構造の変化との関係性を分析していく。とくに、当該研究年度に発見した新たな課題の解決を目指すために、インタビュー調査を数度行いたいと考えている。インタビュー調査を中心とした定性的な調査を重ねていくことで、量的なデータにより得られた発見事項を質的なデータにより裏づけていきたい。さらに、新たな研究課題を理論的に跡づけるために文献調査も引き続き行っていく予定である。また、複数のサンプルを対象とした横断的な研究を実施するための準備としてサンプルの選別や質問項目の作成などをあわせて進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アンケート調査およびインタビュー調査を実施することにかかる調査旅費やデータ処理費などの調査関連費用が発生する。また、横断的な研究のための予備的な調査を実施する場合にもアンケート調査などにかかる調査関連費用が発生する。さらに、非財務的な行動と多面的な業績目標の達成との関係を理論的に跡づけるための資料収集を主とした文献調査費用が発生する。以上より、次年度以降はアンケート調査やインタビュー調査が軸となるため調査関連費用が主な研究費の使途となる予定である。
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Research Products
(2 results)