2013 Fiscal Year Research-status Report
マネジャーの仕事における管理会計情報の役割に関する理論的・実証的研究
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24730400
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
近藤 隆史 京都産業大学, 経営学部, 教授 (60336146)
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Keywords | マネジメント・コントロール / 管理会計 / 公立病院 / イネーブリング・コントロール |
Research Abstract |
本年度においては,これまで蓄積した調査の内容および理論・文献研究の中間報告と位置付け,成果報告を中心に取り組んできた。 おもに,公立病院での管理会計(マネジメントコントロール)および組織構造に関わる経営改革の長期に及ぶ質的調査の内容を,近年管理会計研究で注目を浴びつつある「イネーブリング・コントロール(enabling control)」の観点からの考察を行った。ただし,この理論概念は,管理会計研究において萌芽的な段階でもある。この点も含めて,今年度の研究としては,(1)公立病院での経営改革の成果までのプロセスとその持続性の解明,(2)一連の改革仮定におけるイネーブリング・コントロールの形成とその効果,そして,(3)イネーブリング・コントロールの形成に影響を及ぼす要因,の3つの点を主たる成果として考えている。 このような点を踏まえて,昨年10月に開催された国際学会25TH ASIAN-PACIFIC CONFERENCE ON INTERNATIONAL ACCOUNTING ISSUESにて学会報告を果たしている。また,同学会での報告とフロアからのコメントなどを踏まえ,さらに理論と結果の精緻化を図り,国際学会European Accounting Association Annual Congress 2014(2014/5月開催)での学会報告の採択(2014/2月)につなげている。 2年目にあたる年においては,中間報告として国際学会での報告を行う一方で,分析フレームワークの精緻化として,国内学会誌への投稿などを行いつつ,3年目において予定している定量調査への調査デザイン,測定用具の開発なども進行させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの調査や理論研究が,学会での報告を果たせ,また,定量調査に向けた準備も整いつつあるため「おおむね順調に進展している」と考えている。ただし,定性調査においては,調査の継続と,新たな調査協力先等確保する必要もあり,その点十分に努力すべき点と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね理論的な枠組みは,定性調査と文献研究を経て固まりつつある段階である。今後の研究の推進の方策としては,今後も定性調査は継続しつつも,質問票調査(パイロット調査も含む)に向けた準備作業を進めていくことにしている。その際,パイロット調査段階では,被験者との綿密な打合せや,定量分析の得意とする研究者からのアドバイスも受けつつ,定量調査・分析を適切にすすめたいと考えている。
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Research Products
(3 results)