2012 Fiscal Year Research-status Report
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24730402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
宮宇地 俊岳 追手門学院大学, 経営学部, 講師 (90609158)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 買収防衛策 / コーポレート・ガバナンス / 利益マネジメント / データ・ベース |
Research Abstract |
本研究は、買収防衛策の導入が、企業のコーポレート・ガバナンス(中でも「株主・経営者の力関係」)に変化を与えうる点に着目し、経営者による利益報告行動の変化の有無を検証することを目的としている。1年目の研究活動では、(1)コーポレート・ガバナンス関係の文献の読み込みと、(2)利益マネジメント関連の文献の読み込み、(3)M&Aデータ・ベース購入による検証サンプルの構築作業を中心に行った。 コーポレート・ガバナンス関連の文献としては、2010年のJournal of Accounting and Economicsに掲載されたArmstrong, Guay ,Weberらの論文“The role of information and financial reporting in corporate governance and debt contraction”や、花崎 正晴氏の著書『企業金融とコーポレート・ガバナンス―情報と制度からのアプローチ』東京大学出版などを読み込んだ。 利益マネジメント関連の文献としては、2010年にJournal of Accounting and Economicsに掲載されたDechow, Ge, Schrandらの論文“Understanding earnings quality: A review of the proxies, their determinants and their consequences”を中心に読み込んだ。また、検証サンプルの構築作業についても、レコフ社より、M&Aデータ・ベースおよび買収防衛策データ・ベースを購入し取り組んでいる。 研究計画では、具体的な研究成果の公表は次年度以降を予定しており、1年目は実証研究のための準備作業への取り組みを予定していた。その意味において、計画に沿った作業に取り組んだものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、1年目の段階で、検証サンプルのデータセットを作成したうえで、統計解析まで完了しているはずであった。しかし、1年目終了の段階で、検証サンプルのデータセットの作成作業を継続している段階である。そのため、「やや遅れている」と判断した。 若干の遅れが生じた原因は、研究上の問題に直面したことにあるわけではない。端的に言えば、研究時間に割ける時間が予想よりも下回ったためである。学内業務の増加と、講義時間以外に、学生の資格対策講義等の教育業務に時間を割かざるを得なかったことが原因である。次年度は、より多くの研究時間を確保することで、その遅れを取り戻すように努力したい。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な方針に変更はなく、今年度に予定していた計画の未消化分の実行と、次年度に予定していた計画を実行していく。したがって、具体的には、(1)M&Aの検証用データセットの構築、(2)それらのデータを用いた統計解析、(3)文章化、および(4)国内学会での報告を行うことを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額は1万円以下の金額であるため、実証分析を行ううえで必要となる書籍の購入等に用いることを予定している。
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