2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24730402
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
宮宇地 俊岳 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (90609158)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 買収防衛策 / 利益マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、買収防衛策の導入が企業のコーポレート・ガバナンスに変化を与えうる点に着目し、経営者による利益報告行動の変化の有無を検証することを目的としている。企業が買収防衛策を導入する動機として、2つの有力な仮説(経営者保身仮説と株主利益仮説)が知られているが、本年度はこの2仮説を中心に、当該テーマに関連する研究成果のサーベイを実施している。 その結果、①買収防衛策を導入する企業の属性に関して、多くの先行研究で、買収防衛策を導入する企業は、業績が低迷し、時価総額が小さく、役員持株率が低く、株式所有が分散しているような、買収されるおそれが先行する企業であることが指摘されており、経営者保身のための買収防衛策導入が多いことが明らかとなった。次に、②買収防衛策の導入が導入企業の企業価値に与える影響について、相当数の研究が負の影響を与えることを報告する一方で、正の影響を報告する研究や、影響はないと報告するものも存在し、結果はmixedであることが明らかとなった。また、③買収防衛策導入と経営者による利益マネジメントの関係については、買収防衛策導入企業は、裁量的会計行動と実体的裁量行動の両面において、負の利益マネジメントが報告されていることが明らかとなった。 次に、買収防衛策導入と利益マネジメントとの関係性について、独自にサンプルを収集し、実証を試みた。当該実証成果については、当初より、海外査読付き論文への投稿を最終的な目的としている。ただ、海外ジャーナルの掲載には、年単位の期間を要する。そのため、支援期間以後も継続的な改善を加え、掲載を目指していくことを予定している。
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