2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24730406
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
福島 一矩 西南学院大学, 商学部, 准教授 (50548881)
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Keywords | マネジメント・コントロール / 管理会計 / 組織ライフサイクル / 組織成長 / 組織能力 |
Research Abstract |
平成25年度は,研究目的の達成に向けて,平成24年度の議論を踏まえた概念フレームワークを提示するとともに,概念フレームワークに基づく郵送質問票調査を実施した。 第1に,マネジメント・コントロールや管理会計と組織成長の関係性を明らかにするために組織能力の概念フレームワークを提示する論文1本を公表するとともに,当該概念フレームワークに基づく郵送質問票調査を実施した。 具体的には,管理会計を効果的に活用するための組織能力,いわば管理会計能力ともいうべき概念を用いることによって,管理会計やマネジメント・コントロールが組織成長に与える影響を明らかにすることが可能になるのではないかと考え,管理会計能力に関する概念フレームワークを提示した。そのうえで,企業の管理会計能力が組織成長に与える影響を明らかにすべく,郵送質問票調査を実施し,企業の管理会計能力の実態に関する記述統計を実施しており,今後の実証分析につなげていく段階である。 第2に,組織ライフサイクル間の管理会計,あるいは,マネジメント・コントロールの相違を明らかにするための郵送質問票調査を実施した。 具体的には,全上場企業に対する郵送質問票調査において,さまざまな管理会計手法の利用状況について全般的な調査を行っており,組織ライフサイクルのステージ間で管理会計手法の利用にどのような差があるのかを明らかにすることで,組織ライフサイクルの移行による管理会計の変化を明らかにできると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度において当初予定していた分析フレームワークの限界を認識したうえで,より適切な概念フレームワークの構築が必要であることを指摘した。平成25年度は,当該フレームワークを提示するとともに,概念フレームワークに基づく実証研究を進めるために郵送質問票調査を実施済みであり,今後の実証分析を進める段階にまで来ている。 また,組織ライフサイクルの移行が管理会計,あるいは,マネジメント・コントロールの変化に与える影響を明らかにするための郵送質問票調査も実施済みであり,今後は分析を進めることでその関係性を明らかにできると考えている。 以上のように,概念フレームワークを提示するとともに,郵送質問票調査までを終え,あとは分析を進める段階にまできており,おおむね予定どおり進めることができていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,平成25年度に実施した2つの郵送質問票調査の分析を進めることが主な課題である。具体的には提示した概念フレームワークの妥当性を郵送質問票調査に基づいて実証することで,管理会計やマネジメント・コントロールが組織成長に与える影響を明らかにする。一方で,組織ライフサイクルの移行が管理会計やマネジメント・コントロールに与える影響を明らかにする。最終的には,これらの分析結果を併せることで,管理会計やマネジメント・コントロールと組織ライフサイクルの体系的な解明をしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度は,郵送質問票調査を受けて,追跡調査の許可をいただいた企業に対する企業訪問調査を実施することが必要であるとともに,分析を踏まえた学会報告を行うことを予定しているからである。 平成26年度は,平成25年度に実施した郵送質問票調査で追跡調査の許可をいただいた企業に対する企業訪問調査を実施する。また,学会報告も予定しており,これらの調査・学会報告にかかる旅費として主に利用する予定である。
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