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2012 Fiscal Year Research-status Report

中小企業の管理会計実務に関する理論的・経験的研究

Research Project

Project/Area Number 24730407
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

飛田 努  福岡大学, 商学部, 准教授 (60435154)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords中小企業 / 管理会計 / 経営管理
Research Abstract

本年度は研究の目的,研究実施計画に照らし合わせ,中小企業における管理会計あるいは経営管理実務に関するヒアリング調査と,過去に実施した調査の整理,研究報告を実施した。
ヒアリング調査については,①北海道小樽市のすし店,②福岡県大川市の家具卸売業を対象に行った。このうち,前者のすし店では,創業者から代替わりをきっかけに経営理念の浸透を意識し始め,次第に経営管理システムの導入を積極的に図るようになった。特にこのすし店では,管理会計・原価計算のシステムへの理解と職人としての技術力強化を関連付けて行うことに特徴があった。後者の家具卸売業では,創業社長が創業時から日次決算を行い,営業利益レベルではほぼ正確に,経常利益レベルでも利息計算等を踏まえて計算行うことで,自社の資金繰りも合わせて把握することができている。また,家具事業を細分化した事業部制を実施しており,なるべく権限移譲を行うことで意思決定スピードを早めるなどの工夫をしている。今後は社長が定めた経営理念の浸透と管理会計システムの融合が課題であるとされている。以上の2点から,中小企業における管理会計実務の一端が明らかになるとともに,今後は従業員数(規模),業種,地域などの特徴を踏まえた研究を行う必要性があると考えている。
研究報告については,これまで行ってきた調査研究(アンケート調査を中心としたもの)に加え,本年度に実施したヒアリング調査で得られた知見などを踏まえた報告を行った。本研究のポイントは,規模による管理会計実務の多様性を把握する,あるいは企業で行われる実務慣行を理論的に把握することにあるが,現時点では行われている事実を把握することにとどまっており,いかに理論化していくかが今後の課題であると考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績を踏まえると,現時点においては昨年度の成果を論文や研究報告として十分に発表できてない。これは,実務のみ,あるいは理論のみの解釈に立たず,起きている事象をどのような理論枠組みに基づいて理解するかに依存するため,十分な検討が加えられていないことが原因である。日本の中小企業を対象とした管理会計研究は数が限られていると同時に,海外の学術雑誌に公表されている海外の企業を対象とした実証研究(サーベイ調査,インタビュー調査等を含む)と同様の一定のレベルの研究を行うにはまだまだ調査の実績等が十分に達していない。そのため,平成25年度にはさらに深い調査を繰り返して行うとともに,ここまでの知見を何らかの形で発表する必要があると考えている。

Strategy for Future Research Activity

現在,「研究実績の概要」で示した福岡県大川市に所在する家具卸売業とは頻繁に面会を行なっており,今後は同社の管理会計システムの見直し,再構築のための調査を行うことで同意している。また,九州を中心とする他の中小企業の調査を行うことを通じて,さらなる事例を増やし,中小企業の管理会計,経営管理実務の蓄積を図ることとしたい。
また,昨年度実施した調査をもとに新たな知見になりうるものについては,これまでの研究成果との整合性を十分に検討しながら,論文,学会報告等を通じて研究発表を行うことにしたい。
いずれにしても,平成25年度についてはさらなるデータの収集と得られた知見の整理を中心に行うこととする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

以上から,平成25年度の研究費の使用は,①学会報告旅費,②調査研究旅費の2点にほとんど集約されると思われる。ただし,調査を行うにあたり必要となるデータベースの購入,文献の購入を行う可能性もある。
なお,前年度に一部繰越金(残金)が発生しているのは,①他の科学研究費による支出が多くなったこと,②当研究費に関連した旅費,図書等の支出がなかったためである。これらの残額は,平成25年度の研究費と合わせて使用することにより,研究計画を安定的に推進させるために支出する予定である。つまり,平成25年度は学会報告,調査研究を引き続き積極的に行うとともに,論文として研究成果の報告を行うために研究費の使用を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 中小企業の管理会計実践に関する研究:熊本・福岡の事例を中心として2012

    • Author(s)
      飛田 努
    • Organizer
      熊本学園大学付属産業経営研究所平成24年度第2回研究報告会
    • Place of Presentation
      熊本学園大学 本館3階特別会議室
    • Year and Date
      20121218-20121218
    • Invited

URL: 

Published: 2014-07-24  

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