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2014 Fiscal Year Annual Research Report

フランスの「エスニック化」と旧植民地出身女性移住者の社会編入―日常性の抵抗戦術

Research Project

Project/Area Number 24730421
Research InstitutionKagawa University

Principal Investigator

園部 裕子  香川大学, 経済学部, 准教授 (20452667)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords移民 / 女性 / フランス / アフリカ / 連帯
Outline of Annual Research Achievements

前年度に発表した単著により、フランスの都市政策・移民政策が行う普遍的な失業・貧困対策に依拠しつつ、地域の「黒人女性」による連帯と生活の利便性のために利用し国家や主流の言説とは異なる独自の地位を創発する〈戦術〉について明らかにできた。本年度は、こうした西アフリカ出身移住女性の連帯と、国境を越えて受入国・送出国の女性の地位交渉との相互作用を明らかにすることを中心課題とした。現地調査を行いつつ最新の研究動向を把握するため、フランスパリ市において長期出張を実施した。
フランスの移住女性団体は、フランスでの定住促進から、送出国の女性組織との連携へと活動の争点を移しつつある。マイノリティ女性による移住、貧困などの課題に対する協同・連帯型組織についての研究は、特にフランス・スイスを中心に発展している。他方で女性による連帯型組織はヨーロッパ、アフリカ、西アジア、ラテンアメリカ等で広がっている。研究交流により、これらの研究者と女性組織による、国境を越えたネットワーク形成が進んでいることが分かった。
他方で、移住女性が連携を深める、西アフリカ農村部の女性による連帯活動の位相を把握するため、現地調査を行った。先行研究が稀少なマリでは、2000年代以降、女性が担うシアバター生産の組織化の動きが発展し、各地で協同組合が結成されるようになっている。ところが2012年の政治的混乱以降、経済的・技術的支援を経たれたため、組織運営は停滞を余儀なくされている。それでも収入増により、組合員女性と子どもの生活条件は改善が進んだことが分かった。また組合活動をつうじた村落政治組織との交渉、農村・都市部の女性による交流活性化など、女性の地位は政治・経済・社会の各方面において変容しつつあることが明らかになった。
以上のように、移民受入社会および送出社会の双方において、地位向上に向けて女性が自発的に行う連帯活動の位相を明らかにした。

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Published: 2016-06-01  

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