2013 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生の民族祭りにみる存在の政治と人間関係形成の事例研究
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24730427
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
山口 健一 福山市立大学, 都市経営学部, 講師 (90614149)
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Keywords | 社会学 / 多文化共生 / 差別・排除 |
Research Abstract |
東九条マダン実行委員会や東九条マダンの活動へ継続的に参加し、そこでの各班の活動の参加観察を行った。また、東九条マダンの源流に位置するハンマダンメンバーへのインタビューを実施し、祭り当日の表象形態の分析のための写真を収集した。 当該研究の理論的な位置づけのために、実践者・研究者たちのネットワークを形成した。具体的には、分析視角や方法論の研究会、民族まつりの研究会、学会に参加し、また報告を行った。また東九条マダンにおける「存在の政治」の論理と意義を考察するために、関連する文献を収集した。それらにより、日本における東九条マダンの実践の社会学的意義を掴み取ることができた。 東九条マダンの参加観察ならびにインタビューのデータ整理を通じて、東九条マダンが広く民衆文化運動と呼ばれる実践と密接な関係を有することがみえてきた。そこでその文献資料を収集し、分析した。その結果、韓国の民衆文化運動→在日朝鮮人の民衆文化運動(ハンマダン)→東九条マダンという思想的・実践的系譜関係が明らかになった。 出店者へのインタビューについて、現時点では充分に実行するめどが立っていない。これは実施者が出店者とラポールを築く機会が少ないからであり、そのため今後も継続的に参加していく必要がある。そこで実施者は、出店者のインタビューを本研究の対象から外し、現時点で収集されたインタビューデータを中心にして研究を進めている。インタビューデータ(34回分)のうち、約半分の整理が終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き出店班への参加を通じて、出店者へのラポールを形成したが、まだ各出店者にインタビューを依頼するところまでは至っていない。今後とも継続的な参加を通じてラポール形成をする必要がある。しかし本研究でその調査を実施することは難しい。そこで現時点までに収集されたインタビューデータをもとに研究を進めることにし、出店者以外の方への補足的なインタビューを実施した。このようにインタビューの実施にやや変更が生じたため、データ整理と分析にやや遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー(34回)のデータの整理・分析を進める。 引き続き東九条マダン実行委員会への参加観察を行う。 アメリカの学会にて報告を行い、グローバルな視座の中での本研究の位置づけを得る。 韓国の民衆文化運動と在日朝鮮人の民衆文化運動の思想的連関について、学会誌に投稿する。在日朝鮮人の民衆文化運動の実践について、学会誌に投稿する。東九条マダンにおける「存在の政治」という実践について、学会誌に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
出店者へのインタビューの実施が進まないことから、インタビューデータの筆耕のための人件費が低くなった。また東九条マダンの思想的・理論的意義の位置づけのために書籍を購入し、またデータの保存・整理のためのハードディスクを購入した。東九条マダンへの参加観察のための旅費はおおむね計画通りに使用した。 東九条マダンの参加観察のために旅費を使用する。東九条マダンやハンマダンの論文執筆のための文献を購入する。日本やアメリカの学会にて参加報告するために旅費を使用する。
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Research Products
(3 results)