2012 Fiscal Year Research-status Report
EU市民権とトランスナショナル議員に関する実証研究
Project/Area Number |
24730438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鈴木 規子 東洋大学, 社会学部, 講師 (50610151)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 フランス |
Research Abstract |
今年度の研究目的に掲げた、2つのこと(①2008年のフランス市町村議会選挙に当選したポルトガル人市議のプロフィール調査、②市議へのインタヴュー調査)を実施した。まず①の調査は、2013年3月に渡仏した際に、在仏ポルトガル大使館のジョルジュ・ポルトガルブランコ氏より1次資料を入手することができた。今後はそのデータの分析を行う予定である。 ②の調査については、2013年3月に次のフランス市町村議会選挙が実施されると研究計画には記したが、今回の渡仏した際に、前回の選挙で選挙日程が1年遅れたために、2014年3月に選挙が実施されるという情報を得ることができた。そしてその分、市議たちも選挙がないので余裕をもってインタヴューに答えてくれた。 フランスでの現地調査では、ポルトガル大使館、ポルトガル移民アソシエーション、ポルトガル人市議をたずね、ポルトガル移民のEU市民権意識や政治参加の状況について調査した。当初予定していたパリだけでなく、フランスの中でもポルトガル移民が非常に多い、オーベルニュ地方を訪問するとよいとポルトガルブランコ氏の助言もあったので、同地方の中心都市であるクレルモン・フェランを拠点に、現職のポルトガル人市議やポルトガル移民アソシエーションを訪問した。 合計で3名の現職市議にインタビューした。いずれも、市長や副市長、市町村の上位にあたる県議会議員も兼職していたので、市町村レベルと県レベルの仕事や役割の違いについても明らかにすることができた。さらに、ポルトガル移民アソシエーション2団体、移民の政治参加を研究するアソシエーション1団体にインタヴューした。 これまでに行ってきた研究を紹介するためにフランス語に翻訳したり、入手したポルトガル語の資料を日本語に訳したりした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年3月に次のフランス市町村議会選挙が実施されると研究計画には記したが、今回渡仏した際に、前回の選挙で選挙日程が1年遅れたために、2014年3月に選挙が実施されるという情報を得ることができた。そしてその分、市議たちも選挙がないので余裕をもってインタヴューに答えてくれた。任期中なので具体的な活動の話も聞くことができた。さらに来年実施される市町村議会選挙に向けて、ポルトガル移民アソシエーションがポルトガル人に対して選挙登録をするよう促すキャンペーンをしていることを知り、その内容を聞くことができた。 したがって、今年の調査では、選挙がなかったことでより多くの情報を現職市議から話を聞くことができ、また来年の選挙に向けて、課題であるポルトガル人の選挙への動員の様子を聞くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究計画は概ね予定通りに行う。フランスの市町村議会選挙が今年実施されなかったので、選挙の結果分析は延期する。また、フランスの市町村議会選挙に関する調査は、選挙が年度末の3月に実施されること、選挙期間中に訪問しても議員はいそがしくて応対できない、という話を今回聞いたので、選挙調査に関しては平成26年度に渡仏して、当選した議員にインタヴューすることを予定している。 次年度の研究は、これまで収集したデータの分析、および欧州議会議員に関する調査を中心に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度のフランス調査の際に、EU市民権やその教育について明らかにするため欧州評議会ならびに欧州議会でのインタヴュー調査を実施しようとストラスブールへ移動することを計画していたのだが、パリからストラスブールへ鉄道で移動する直前に体調が悪くなり、ストラスブールへ移動することができなかった。そのためパリーストラスブール間の鉄道往復代金22,000円を次年度に繰り越した。なお、インタヴューは電話で教育担当官のユリア・ペレルヴァ氏に必要な情報を聞くことができた。またパリに滞在しながらポルトガル移民や移民団体を訪問することができたので、ポルトガル移民関連の研究は進んだ。 次年度には、6月に欧州議会選挙が実施され、11月に改選された議員による欧州議会が実施されるので、フランスのストラスブールにある欧州議会(委員会によってはベルギーのブリュッセルにある欧州議会)へ行き、会期中に議員へインタヴュー調査を行う。 また、上記したような今年度の経緯から、ストラスブールへ行き、欧州評議会の教育担当官のペレルヴァ氏を訪問し、さらなる情報を得たいと考えている。
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