2012 Fiscal Year Research-status Report
自立生活センターのアドヴォカシー機能に関する実証的研究
Project/Area Number |
24730463
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
廣野 俊輔 大分大学, 教育福祉科学部, 講師 (60626232)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自立生活運動 / アドヴォカシー / 自立生活センター |
Research Abstract |
当該年度の研究計画は、自立生活センターのアドヴォカシー機能について文献による調査を行うこととした。 当該年度においては、日本の自立生活運動の歴史を検討し、それがいかなる経路で現在の自立生活センターにつながっているかを明らかにしようとした。その結果、次の実績を挙げた。 まず、日本の自立生活運動の先駆けである府中療育センター闘争に関する歴史的な知見である。日本の自立生活運動の先駆けであり、自立生活運動の源流でもある府中療育センター闘争は現在では若干の研究があるものの、まだまだその蓄積は少ない。この府中療育センター闘争から影響を受けて自立生活センターを開設した例がいくつかある。そのためにこの闘争がどのような実態であったのか、府中療育センターに入所していた障害者がいかなる理由と経路で自立生活に移行したのかを明らかにするのかは本研究にとっても重要である。 次に日本の自立生活センターの源流を調査をした。現在の研究で自立生活センターの代表格として取り上げられるものばかりでなく、全てのセンターについてホームページ等から調べた。 さらにホームページでは充分な情報を得られない自立生活センターについては、直接、電話か面接で問い合わせた。特に府中療育センター闘争の流れを受けて設立されているCIL立川に出向き、その源流について聞き取り調査を行った。 最後に自立生活センターに関する国内外の文献を収集し調査を行った。文献資料の収集にあたっては、国内では国立国会図書館、海外の文献資料についてはAmazonなどのサイトを利用して収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標に掲げていた国内外の自立生活運動に関する文献資料については、当初計画した以上に集めることができたと考えている。日本の自立生活センターに関するホームページから各センターの歴史の概要も把握することができている。そのため次年度の国内外におけるインタビューの準備は進んでいると考える。 ただし、資料の収集と平行して行っている論文の執筆は、当初予定した計画よりも少し時間がかかっている。膨大な資料を整理することに少し時間がかかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は2つである。まず、日本国内の障害者の自立生活センターに対する聞き取り調査である。この調査は本年度の文献研究の成果を参考にしつつ準備する。もう1つは、海外の自立生活センターの調査である。本年度は韓国の自立生活センターを対象とした聞き取り調査を準備し、実行することが研究の要点である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第1に、国内の研究旅行費である。具体的には、京都や静岡の自立生活センターを対象とした聞き取り調査のための旅費である。 第2に、海外の研究旅費である。具体的には韓国の自立生活センター、障害者団体を対象とした聞き取り調査のための旅費である。 第3に文献資料を収集するための費用である。本年度も引き続き、重要な研究がなされた場合にはすぐに入手したいと考えている。
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Research Products
(4 results)