2014 Fiscal Year Annual Research Report
幼児における心の理解と自我発達:性格特性推論との関連
Project/Area Number |
24730513
|
Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
長田 瑞恵 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80348325)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 原因帰属 / 性格特性理論 / 自称詞 / 幼児 / 成人 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は2つの研究を行った。 Ⅰ幼児における原因帰属と性格特性推論 【問題】ある事象の原因の帰属先を内的要因と外的要因の2種類設定したうえで,行為者を幼児自身又は他者のいずれかに設定することで,幼児の特性推論の結果が異なるか否かを検討。【方法】*被験者:保育園年中クラス児15名,年長クラス13名。*刺激:事象の原因・行為者の意図・事象を組み合わせて4通りのストーリーを2種類ずつ,合計8つのストーリーを用意。*手続き:パソコン画面上にストーリーを提示し,実験者がストーリーを読み聞かせた。その上で,事象の原因は何か,行為者は良い子か悪い子か,性格特性の判断理由について回答を求めた。【結果と考察】1.事象の原因帰属先 行為者が他者の場合には原因を内的要因に帰属した。2.行為者の性格特性推論 いずれの要因も有意差なし。3.性格特性の判断理由 4歳児の方が行為者の意図に理由づけした。 Ⅱ行為者が幼児の場合の成人における性格特性推論―行為者の呼称の違いが原因帰属推論に与える影響― 【問題】成人を対象に,行為者が「一般的な他者」の場合と「自称詞を使う他者」の場合とで,原因帰属や特性推論に違いが生じるかについては明らかではない。【方法】*被験者 30代の子育て中の男女合計529名。*手続き 研究Ⅰと同様の8種類のストーリーを使用。静止画と共にストーリーを提示。①「結果」の原因,②主人公は良い子か悪い子か,③特性判断の理由をそれぞれ選択肢で質問。 【結果と考察】1.結果の原因の帰属先 一人称条件と一般名条件とで原因を外的に帰属しやすいストーリーが異なった。2.特性推論と判断理由 「良い子」判断が多かったされやすいストーリーとされにくいストーリーがあった。さらに,一人称条件の方が結果重視されやすく,外的先行条件の方が外的帰属されやすかった。
|