2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730518
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
尾関 美喜 東京国際大学, 人間社会学部, 講師 (30574735)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 集団 / 社会的アイデンティティ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
集団アイデンティティは、「自分がある社会集団に所属している」という個人の認知と、その集団の成員であることに伴う価値や情緒的意味をさす(Tajfel, 1978)。集団アイデンティティ研究は、社会心理学における主要な研究領域の一つであるとともに、幅広い学問分野に貢献してきた(Postmes & Jetten, 2006)。 この領域において、「集団全体でみた場合の集団アイデンティティ、すなわち、集団レベルの集団アイデンティティ(Hogg, 1992; 以下GGI)とは何か」という問いは、大きな未解決課題であり続けてきた(Postmes et al., 2006)。先行研究(Swaab et al., 2008; Jans, et al., 2011)は、個々人の心的過程に焦点を当てたため、この問いに答えられなかった。 それに対して、本研究では、マルチレベル・アプローチによって、GGIが集団成立の基盤であることを示した(Ozeki, 2015)。すなわち、人の集まりが集団として機能するためには、集団成員が全体として一定水準以上の集団アイデンティティを有することで、GGIが高まる必要があるという意味である。 この研究結果を通じて、本研究は、「集団レベルの集団アイデンティティとは何か」という20年来の問いに答えを出すとともに、集団そのものにとっての、集団アイデンティティの機能を明らかにした。
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Research Products
(1 results)