• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

共通の効果測定による対人コミュニケーションに関するトレーニングや体験型課題の整理

Research Project

Project/Area Number 24730522
Research InstitutionAichi Shukutoku University

Principal Investigator

小川 一美  愛知淑徳大学, 心理学部, 准教授 (70345875)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords対人コミュニケーション / ソーシャルスキル / スキルトレーニング / コミュニケーショントレーニング / 効果測定 / 解読 / 記号化
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,形式および効果という観点から,多数存在している対人コミュニケーションに関するトレーニングや体験型課題を整理することである。特に研究を進めていくなかで,効果測定方法に関する多くの課題が浮き彫りになってきたため,本研究ではそれらについて基礎的な実験などに基づき検討を行っている。平成26年度の主な研究成果は以下の通りである。
1.効果測定方法の検討:非言語情報に関する知識と解読スキルの自己評定が表情解読の正確さに及ぼす効果について,実験を行い検討した結果,解読スキルの自己評定が高くても知識が多くなければ正しい表情解読は出来ないことが明らかにされた。つまり,これまで多くのスキルトレーニングなどで使用されてきた自己評定尺度によるスキルの測定は必ずしも効果測定の手法として適切とは言えず,行動分析と合わせて検討することが重要であることが示された。一方,非言語情報に関する知識と記号化スキルの自己評定が非言語行動の表出に及ぼす効果を検討したところ,自己評定の高さと非言語行動の表出量に正の相関が見られるものもあり,記号化に関しては,従来の自己評定尺度によるスキルの測定も効果測定の手法として利用可能であることが示唆された(平成27年度に学会発表予定)。
2.トレーニングや課題の整理:平成24年度からの成果に基づき,成人を対象としたトレーニングに焦点を絞り,レビュー論文をまとめている最中である。1で記した通り,対人コミュニケーションのなかでも記号化なのか解読なのかといった行動の種類によって適切な効果測定の方法が異なることがわかってきた。こうした観点も踏まえてレビュー論文を執筆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

やや遅れている理由は,効果測定の方法に関して様々な問題があることが明らかになり,それらを一つ一つ検証してきたためである。しかし,平成25年度までは,スキルの自己評定を効果測定として実施することは不十分であると考えていたが,平成26年度になり対人コミュニケーションのなかでも行動の種類によっては自己評定による測定でも妥当な効果測定ができる可能性が示唆された。そこで,多様なスキルトレーニングを改めて実施し効果を検討し直さなくても,共通の尺度で効果測定を行っているトレーニングも多く存在するため,それらの結果に基づき整理を行うことが可能となる。
一方,トレーニング実施者へのインタビューなどから,トレーニングの効果を妨げる要因が存在するもののそれらについての検討が不十分であることが明らかになってきた。したがって,各トレーニング等を整理する際には,当初予定していなかったトレーニングの妨害要因という観点も必要であるため,多少,研究計画を変更し,検討を始めている。

Strategy for Future Research Activity

1.効果測定方法に関するまとめ:非言語情報に関する知識と記号化スキルの自己評定が非言語行動の表出に及ぼす効果を検討したところ,記号化に関しては従来の自己評定尺度によるスキルの測定も効果測定の手法として利用可能である可能性が示唆された。より詳細な分析を行い,結果について学会発表等で公開する。
2.トレーニング効果を妨害する要因についての検討:トレーニングを実施し,参加者への半構造化面接などに基づき,トレーニング時の抵抗感といった効果の妨害要因を探索的に検討する。
3.トレーニングの整理:本研究のこれまでの成果や,トレーニングや課題の実施経験者との意見交換などに基づき,各種存在するトレーニングを整理する。その際には,2の結果なども参考に,トレーニング実施時の留意事項なども加え,実施希望者にとって利便性の高い情報公開を目指す。

Causes of Carryover

平成26年度は,予定よりも物品費の支出が大幅に少なかったため,次年度使用額が生じた。実験用にプロジェクター等を購入する予定であったが,実験の内容的にこれらは不要であったことが理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度は請求した助成金と次年度使用額として繰り越された分を合わせて執行を行うが,トレーニングの実施に係る人件費や謝金,トレーニングを整理し結果を公開するための人件費および物品費などが必要になる。また,研究発表や,トレーニング実施経験者との意見交換を行うための旅費も必要である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] The influence of nonverbal-cues knowledge and self-evaluation of decoding skills on the accuracy in decoding facial expression.2015

    • Author(s)
      Ogawa, K. & Matsuo, T.
    • Organizer
      16th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology.
    • Place of Presentation
      Long Beach, CA, USA.
    • Year and Date
      2015-02-28
  • [Presentation] 非言語情報に関する知識が表情解読の正確さに及ぼす影響―解読スキルの自己評定の妥当性検討とともに―2014

    • Author(s)
      小川一美・松尾貴司
    • Organizer
      日本心理学会第78回大会
    • Place of Presentation
      同志社大学今出川キャンパス(京都府京都市)
    • Year and Date
      2014-09-10

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi