2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730526
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
谷口 淳一 帝塚山大学, 心理学部, 准教授 (60388650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 友人からの評価 / 友人関係 / IOS / 精神的健康 / 自己確証動機 / 自己高揚動機 / 関係的自己 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、友人から総合的な領域や関係関連領域では自己高揚的な評価を、特定的な領域では自己確証的な評価を得ていると認知することで、自律、親交、一貫性という3つの自己関連動機を満たすことができ、そのような友人からの評価が友人関係のサポート授受を高め、良好な友人関係の形成、維持に繋がり、さらに、関係外での積極的な活動を促すとの仮説モデルを設定し、検証を行うことを目的としていた。 研究期間を1年延長した今年度は、これまでの3年間の研究実施結果をふまえ、関係的自己という新たな視点を加えた検討を行った。つまり、同じ大学に通っている最も親しい友人と一緒にいる時の自分について回答を求めることで、そのような関係的自己と友人からの評価の差(の小ささ)を自己確証的な評価の指標とした。大学内に既に安定した友人関係がある大学2回生以上を調査対象として質問紙調査を実施した。自己高揚的な評価の指標としては、これまで通り、友人からの評価を用い、自己評価を分析に加えることでその影響を統制した。分析の結果、総合的な自律的領域および、関係関連領域においては自己高揚的な評価を受けていると認知しているほど、友人関係を親密であると評定していた。特定的な自律的領域(知的領域、社会的能力領域)においても同様に自己高揚的な評価の影響が見られたが、自己確証的な評価の影響もみられた。つまり、友人からの評価と自己確証的な評価のずれが小さいほど、友人関係を親密であると評定していた。ただし、この影響は友人からの評価が関係的自己評価よりも高い場合のみにみられた。以上より、関係的自己の視点を加えることで、仮説を概ね支持する結果が得られた。本研究の結果については9月に開催される日本社会心理学会第57回大会にて発表を行い報告する予定である。
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Research Products
(2 results)