2014 Fiscal Year Annual Research Report
対話的な相互作用を促す教師・学習者によるリヴォイシングの検討
Project/Area Number |
24730529
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
一柳 智紀 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30612874)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 小グループ / 問題解決過程 / リヴォイシング / 実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1に、思考の外化を促す道具としてのワークシート(WS)の配布方法が、小グループでの問題解決過程における学習者によるリヴォイシングを含めたコミュニケーションに及ぼす影響を明らかにするために、WSをグループで1つ配布する【単一配布群】と、学習者各自に配布する【各自配布群】の2群を設定し、大学生4人1組が良定義課題に取り組む過程を質的に検討した。結果、【単一配布群】ではWS上の外的表象について全員で共同注視や指差しを行うことで,内容を確認,共有しながら理解を形成していた。ただし,全員がWSに自身の考えを外化するわけではなく,外化に関して役割分担が生じていた。一方,【各自配布群】では全員が各自のWSに自身の考えを外化し,自他のWSを指差したり自身のWSをグループの中央に寄せたりすることで,他者から援助を受けたり理解を共有したりしていた。さらには,他者のWSから考えを持ち帰り,自分のWSにその理解を書き加えることで,課題に対する自身の理解を精緻にしていた。 第2に、思考の外化を促す道具としてのWSが小グループでの問題解決過程を媒介する特徴が、課題によってどのように異なるのかを検討するために、学習者各自に配布する【各自配布群】を設定し、大学生4人1組が良定義課題および不良定義課題に取り組む過程を検討した。結果、良定義課題においては自分や他者のWSへの指差しが頻繁になされていた。そして、学習者は(1)自分のWSに考えを外化し、指差しながら主張を行ったり、(2)他者のWSに書かれた図を指差して他者の考えについて確認したり疑問を投げかけたり,自身のわからないところを質問し,(3)それに対して指差された学習者がWSを指差しながら,あるいは新たに外化しながら応答して説明していた。一方、不良定義課題では学習者は主張に対して議論を経て同意した後,その内容をWSに書き留めていた。
|
Research Products
(3 results)