2015 Fiscal Year Annual Research Report
学童期からの脳機能の発達と介入の影響:注意・集中に関わる神経基盤
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24730531
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
齋藤 大輔 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命准教授 (30390701)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳機能イメージング / 発達 / 注意機能 / 介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳機能を非侵襲に測定することの出来るツールである磁気共鳴画像法(MRI)を用い、健常児童の発達に伴う脳機能の変化を、年齢や発達段階ごとに調査し、生活環境・習慣との関連を調査した。そして、学童期児童から成人までの注意・集中能力に関する発達と、その能力を向上させる作業を脳科学の見地から明らかにし、得られた成果を実際の教育現場へ成果を還元することを目的とした。 まず、注意・集中に関する脳機能及び脳構造を調べるMRI実験を行うための、実験を企画し、これまで行ってきた注意能力を調べるためのANT課題(Attentional Network Test)と、反応抑制課題(Go-Nogo Test)を合わせて行った。また、発達と共に変化する脳構造についても、脳容積、白質神経走行を計測し、年齢とともにどのように変化するか、また環境の要因がどのように影響しているかを明らかにした。その結果、それらの認知機能や脳構造に様々な日常習慣(睡眠-覚醒サイクル、家庭内での人間関係など)が、関与していることが示され、子どもを取り巻く生活環境・社会的環境が脳の発達に重要な役割を果たしていることが明らかになった。 次に、注意・集中に関わる介入の効果を調べる行動実験を行い、MRI実験(大学生から児童まで)を行うための、基礎的データの取得を行った。介入の効果を調べるために、認知課題(ANT課題, 反応抑制課題)を行い、その成績の変化と生体ホルモン(オキシトシン、コルチゾール)の変化を指標とした。そして、30名の小学生児童(女児16名)からデータを採取し、認知機能と子どもの生活環境・社会環境との関連を調査した。その結果、日常生活環境や習慣(家族構成、運動制御)が、認知機能や唾液中のオキシトシン濃度に関わっていることが示され、さらに脳機能にも影響を与えていることが明らかになった。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Autistic empathy toward autistic others.2015
Author(s)
Komeda H, Kosaka H, Saito DN, Mano Y, Jung M, Fujii T, Yanaka HT, Munesue T, Ishitobi M, Sato M, Okazawa H.
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Journal Title
Social Cognitive and Affective Neuroscience
Volume: 10
Pages: 145-152
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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