2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730542
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Research Institution | Fuji Women's University |
Principal Investigator |
青木 直子 藤女子大学, 人間生活学部, 准教授 (20453251)
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Keywords | 動機づけ / ほめ / 承認欲求 / 文脈 |
Research Abstract |
本研究では,のちにほめられることになる活動の楽しさやほめ手との関係性などのほめられる以前の認知とほめられた後の動機づけの関連を検討するため,小学校1~3年生を対象とした以下の研究を行った。 まず,「前から好きなことをほめられる・前から嫌いなことをほめられる」といった対を提示し,動機づけが高まるほめられる以前の状況をたずねる質問紙調査を行った。その結果,以前から嫌いなことより好きなこと,いつもほめられていることよりいつもはほめられないこと,簡単なことより難しいことをほめられると動機づけが高まることなどが明らかになった。 次に,ほめられる活動への好みとほめられる頻度という2つの要因を組み合わせてストーリーを作成し,複数の要因によって構成されるほめられる以前の文脈と動機づけの関連を検討した。作成したストーリーは,ほめられる以前の文脈はそれぞれに異なるが,最終的には主人公がよい点を取って教師にほめられるというものである。スライドを用いてストーリーを提示し,主人公の動機づけをたずねたところ,ほめられる以前の文脈が「算数が好きでいつもほめられる・算数が好きだがいつもはほめられない・算数が嫌いだがいつもほめられる・算数が嫌いでいつもはほめられない」の順に動機づけが高く評定された。さらに,各ストーリーの主人公の感情をたずねるインタビュー調査を行ったところ,「好きな算数をほめられたらもっと算数が好きになる・嫌いな算数でいい点を取ってもほめられないのはどうして」などの報告がみられた。 これらのことから,ほめられる以前の認知の差異はほめられた後の動機づけにも影響すること,ほめられる以前の状況に動機づけを低下させる要因が含まれていてもその他の要因との相互作用によって動機づけが高まること,要因の組み合わせによってはほめられた活動への関心が高まったり,ほめ手への不信感を生じさせることなどが指摘できる。
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Research Products
(1 results)