2014 Fiscal Year Research-status Report
保育士,幼稚園教師,小学校教師の視線移動と語りによる実践的思考の解明と熟達化
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24730554
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
廣瀬 聡弥 梅花女子大学, その他部局等, 准教授 (40419461)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 実践的思考 / 熟達化 / 教師 / 保育者 / 保育・授業 / 教師教育 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,保育所・幼稚園の保育者や小学校教師が保育・授業場面の映像刺激を視聴した際の視線移動と語りを併せて調べることにより,以下の4点について明らかにすることを目的としている。1)保育・授業場面の映像視聴時における視線移動パタンの解明,2)保育者・教師の語りと視線移動との関連,3)保育者が授業場面,あるいは小学校教師が保育場面の映像刺激を視聴した際の語りと視線移動,4)若手,中堅,熟練の保育者・教師を比較することによる実践的思考の熟達化。 研究方法については,平成24,25年度と同様である。平成26年度は,前年度から継続しているデータ収集を実施すると共に,得られたデータを用いてmonitoringが実践的思考の何を測定しているのかというmonitoringの役割,そして若手,中堅,熟練の保育者・教師を比較することによる実践的思考の熟達化について分析を行った。 なお,得られた研究成果をInnovative Teachingに投稿し,受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的は,授業場面の映像データを用いて若手,中堅,熟練の保育者・教師に視聴してもらうことによってデータを収集し,秋田 他(1991)を参考に,1)発話量と発話箇所,2)発話の各命題の内容分析,3)発言の関連性把握の有無の3観点から,On- and Off- line monitoringによる実践的思考について定量的に調べた。 その結果,各monitoringの役割について,On-line monitoringでは児童に注目し,授業文脈から児童や授業者の発話意図などについて気づき,表象,解決,reflectionといった実践的な思考過程を表していた。一方,Off-line monitoringでは授業全体の構成について記述することが多く,授業後の全体的なreflectionといった思考過程を表すことがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,各monitoringの役割について詳細に分析を行うと共に,視線データに関する分析を進める。そして,得られた結果より,教師教育において実践的思考を養ううえで,monitoringが活用できるのか,そして,教師・保育者集団で研修を行う際にどのような成員が良いのかについて検討する。
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Causes of Carryover |
平成24年度~26年度にかけて,データ収集及び分析は順調に進んでいる。特に,教師や保育者を対象とし,授業場面のビデオを用いた発話内容の分析は,今後の校内・園内研修に活用することが期待できる有用なデータが得られている。海外の学会誌に投稿しているため,査読者からの新たな分析の要求等に対応することや掲載料等の経費が予想されるため,平成27年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のように,得られた結果を海外の学会誌に投稿しているため,査読者からの要求に応じて新たな分析のためのソフト・ハード費,論文の校閲や掲載料が必要である。また,平成27年度は研究成果を様々な学会や研究会等で発表するために,旅費も併せて計上する。
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