• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

大学生の職業観とその発達支援

Research Project

Project/Area Number 24730557
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKurume Institute of Technology

Principal Investigator

堀 憲一郎  久留米工業大学, 工学部, 准教授 (40390265)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsキャリア発達 / 職業観 / 勤労観 / 職業選択
Research Abstract

平成24年度は,大学生が職業(仕事)に対してどのような素朴理論を有しているのかに関して,その実態を明らかにしていくことを目的として研究を進めた。具体的には,次の2点が本年度の研究実績である。
第一は,大学生が実際具体的にどのような職業を志望し,また,その職業についてどのようなイメージを持っているのか,また,それらは個々の学生が職業選択において重視する,勤労についての価値観とどのような関連にあるのかについて,調査を実施し,その成果の一部について平成24年度教育心理学会総会において発表した。その結果から、大学生が具体的な職業選択において、個々の職業に対して多様なイメージや評価観点を抱いており、それらは大学生個々人のキャリア志向の程度の影響は受けつつも、従来言われていたような仕事(勤労)に対する大学生個人の価値観から直接的に導かれるというよりも、より具体的で多様な(時として希望する職種固有の)観点から職業選択を行っている実態が示唆された。ここから、職業選択の実態として、個々の大学生はその内在化された職業観・勤労観に従ってその選択を行うというよりも、むしろ具体的な志望する職業イメージを完成させた後に(あるいはそれと相互に影響し合う形で平行しながら)職業観・勤労観を形成し、同時に職業選択を行っているのではないかということが推察された。また、本研究により、大学生の職業感や職業選択を数量的に明らかにする方向から、より具体的な実態を明らかにしていく方向への一つの方法を示した点で、今後の大学生のキャリア発達を検討していく上で、一定の貢献ができたと考える。
第二は、各学会への参加による情報収集や文献収集などを通して、これまでの大学生の進路選択・職業選択に関する先行研究を調査し、その成果についてまとめるとともに、今後の課題について検討を行った。その成果の発表は平成25年度中を予定している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、近年キャリア教育のニードの高まりとともに指摘されている若者無業者や早期離職者の増加など学校から社会への移行が円滑に行われていない現状を踏まえ、大学生のキャリア選択の実態、そこで大学生が抱いている素朴な職業観・勤労観をあきらかにすることを目的に研究を進めてきた。
本年度は(1)文献研究、(2)質問紙調査、(3)面接調査を予定していた。(1)文献調査については特に問題なく、順調に進んでいる。
次に予定していた質問紙調査については、内容や回数についてはおおむね予定通り、実施できたが、調査対象者が予定していた外部の研究協力者の退職等の事情により若干調査対象者の範囲や人数が限定されてしまった。現在、その課題の解決に向け別途調査協力者への依頼を行い、スケジュール等の調整を行っている。
(3)面接調査については、数回の面接を実施し、その記録の分析を行っている。
従って、現在のところ、研究計画はおおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

初年度に行った調査等の成果の発表を進めるとともに、予定していた調査をさらに進めていきたい。第一に、具体的には初年度に引き続き質問紙調査ならびに面接調査を進め、大学生の職業(仕事)に関する素朴理論の形成や変化にどのような要因が影響しているかについて検討していく。
第二に、大学生の職業(仕事)に関する素朴理論の成熟のための教育的支援の検討として、ディスカッションを用いたキャリア教育の効果についてもあわせて検討していきたい。これまでの研究において、他社とのディスカッションが自らの知識の不十分さへの気づきなどメタ認知を活性化し、より深い理解の形成につながることが指摘されている。そのような活動が大学生のキャリア発達へどのような影響を与えるかを検討するとともに、大学教育での効果的なキャリア教育実践につなげていけるような可能性を探っていきたい。
また、初年度に実施した調査等により現在の大学生の職業選択の課題として、状況の不確実性(例、卒業時の景気動向等によって自らの就職活動の困難さや就職できる職業の選択肢やその可能性の高さが大きく影響される等)をどう受け入れ、それにどう対処しようとするかという問題が非常に大きいのではないかと推察された。第三は、それを受け、職業選択と不確実性の問題に関して、学会での情報収集、先行研究に関する文献研究を行うとともに、質問紙調査、面接調査等をとおしてその問題を検討していきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度の研究費の使用計画を以下の通り予定している。
(1)ディスカッションを用いた教育支援の実施に関して、設備備品として、ディスカッションを行う際に、その材料を提示するためのプロジェクターならびにレーザーポインタ等を購入予定である。また、そのディスカッションの記録のためのビデオならびにICレコーダーの購入を予定している。
(2)質問紙調査の実施に関しては、回収したアンケートの個人情報保護の観点から、個人情報に関わる部分を用紙から裁断し、シュレッダー処理を行うため、断裁機とシュレッダーをそれぞれ購入予定である。質問紙調査に関して、研究協力者に協力を依頼した場合はその謝金の支払いも予定している。
(3)文献研究に関しては、そのために必要となる図書・資料購入を予定している。
(4)研究課題に関する情報収集や成果発表のための学会参加を2回予定しており、そのための旅費を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 大学生の素朴な職業観:自由記述データの探索的検討2012

    • Author(s)
      堀憲一郎・生田淳一
    • Organizer
      日本教育心理学会
    • Place of Presentation
      琉球大学
    • Year and Date
      20121123-20121125

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi