2013 Fiscal Year Research-status Report
思春期の身体発育を契機とした不適応行動の発生を助長/抑制する要因の解明
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24730562
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
上長 然 佐賀大学, 文化教育学部, 講師 (50552965)
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Keywords | 思春期 / 身体発育 / 成熟の早晩 / 身体違和感 / 学校 |
Research Abstract |
思春期は、身体発育や第二次性徴といった急激な身体変化を伴う時期であり、理論的にはこうした急激な身体変化が青年の不安や動揺をもたらすと強調されてきた。しかしながら、実証的研究では、必ずしもすべての青年が不安や動揺しているわけではなく、身体変化を通して自信がもたらされ、自己理解を深めていくことも示されてきている。本課題の目的は、青年の個人要因と社会文化的要因を踏まえながら、身体‐心理‐社会的相互関係に注目し、思春期の身体発育を契機に不適応行動を発生させる因子を特定していくとともに、不適応行動の予防や抑制する要因を明らかにしようとするものである。 平成25年度は昨年に引き続き、思春期の身体発育による心理的影響を探りながら、学校における教師との関係性など社会文化的観点から整理するとともに、青年の不適応行動を助長/抑制する社会文化的要因を探るために、中学生を対象に質問紙調査を実施し、1274名から回答が得た。これまで、思春期の身体発育によって身体への違和感や戸惑いが生じるとされてきたが、全体としては違和感が小さいことが示されたが、違和感を強く抱いている青年は不適応的であった。女子では、周りと同じくらいだと感じている生徒の違和感は低く、周り(同学年の子)と比較して早いもしくは遅いと感じている生徒が違和感をもっていること、男子では早熟な生徒は比較的違和感を持っていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、青年への大規模な調査を実施し、今日の日本の青年における身体発育状況および心理的受容度、身体発育に伴う身体的違和感の様子を示すことができており、不適応行動の助長・抑制要因についても徐々に明らかにされている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られているデータをさらに詳細に分析するとともに、これまでに行われた諸研究を概観し、思春期の身体発育による不適応行動の発生・抑制のメカニズムについてまとめる。また、本研究課題の最終目的である社会文化的要因との相互作用を考慮し、思春期を契機とした不適応行動の助長・抑制要因を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ入力、資料整理等への謝金が予定より少なかったこと、資料収集・成果発表のための旅費が予定よりも少なかったこと等のために当該研究費が発生している。 質問紙データ分析のためのSPSS心理学モデル購入費、調査データの整理作業費の使用を予定している。また、研究成果発表として論文執筆のための図書費・印刷費、論文の翻訳・校閲、学会誌投稿料等の成果発表のための費用、成果発表のための旅費の使用を計画している。
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Research Products
(3 results)