2014 Fiscal Year Research-status Report
コンピューターによる解釈バイアス修正法(CBM-I)の開発とその効果研究
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24730569
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
寺島 瞳(寺島瞳) 和洋女子大学, 人文社会科学系, 准教授 (30455414)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 解釈バイアス / CBM-I / 肯定的解釈トレーニング / CCBT |
Outline of Annual Research Achievements |
不安や抑うつの要因となりうる解釈バイアスを修正する方法の一つである「解釈バイアス修正法(CBM for Interpretation:以下CBM-I)(Mathews & Mackintosh,2000)の日本語版を開発してその効果を検証することが本研究の主な目的である。CBM-Iとは,コンピューターを介して,あいまいな刺激とその肯定的な解釈に繰り返しさらすことによって,解釈のバイアスを修正する方法である。研究1では,Lang, Blackwell, Harmer, Davison & Holmes(2012)の研究などで使用された刺激文を原著者らの承諾を得て日本語に訳し,日本の文化に合わせた形に修正した。さらに,社会不安傾向に関連する刺激のみを選択した。日本の大学生約84名を対象に実施した。1週間の介入前後で各得点の変化を検討した結果,介入前後で抑うつ症状が低下,ポジティブな解釈が増加し,ネガティブな解釈は減少していた。しかし,社会不安傾向には変化はなかった。 26年度はこの結果をヨーロッパ認知行動療法学会(EABCT2014)にて発表した。EABCT2014にて,原著者のHolmesとBlackwellから,CBM-Iにおいて社会不安傾向に特に焦点をあてた研究はないため意義がある,との意見が得られた。しかし,Lang他(2012)では,写真などの視覚刺激を用いていたが,研究1では文章の刺激のみで介入課題を作成していたことが,十分な結果が得られなかった理由として挙げられた。そこで,研究2に向けて,Lang他(2012)で用いられた写真刺激について,日本の文化に合う内容に修正する作業を行った。また,EABCT2014にて発表されたBlackwell(印刷中)の最新の研究に基づき,研究2で用いる新たな介入課題の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年4月より,所属機関が変更となった。よって,2014年度は申請時の想定ほどエフォートがさけなかったため,計画通り進行しなかった。そのため,1年補助事業期間を延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1にて想定どおりの結果とならなかったことは,Lang他(2012)の研究と異なり,写真や聴覚刺激を用いなかったことがその一因と考えられた。そこで現在,改良版のアプリケーションを作成中である。完成した課題を用いて2015年度の介入研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2014年4月より,所属機関が変更となったため,2014年度は申請時の想定ほどエフォートがさけなかったため,計画通り進行しなかった。そのため,1年補助事業期間を延長した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
PCのアプリケーションを開発するため,Web制作会社に依頼して,写真などの視覚刺激等も含めたCBM-I日本語版を作成する。大学生を対象に改良版の介入課題を実施し,その効果を検証する。主な使途内容はWeb会社への依頼費,データ分析のためのソフトやPC購入費,人件費などである。
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Research Products
(1 results)