2014 Fiscal Year Annual Research Report
今日的な不登校児童生徒への心理臨床的援助に関する研究
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24730571
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 淳一 武庫川女子大学, 文学部, 准教授 (30508792)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不登校 / 中学生 / 心理面接過程 / 質的なメタ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,昨年度まで研究作業を行っていた,不登校を主訴とする中学生の心理面接過程についての質的なメタ分析結果をまとめ,“Qualitative analysis of significant events in psychotherapy for school refusal in Japan”という題目で,122nd Annual Convention of the American Psychological Associationにてポスター発表した。その発表コメントを受けて,データの再分析ならびに加筆・修正し,学術論文としてまとめ,国内の学会誌に投稿した。現在,その審査論文の査読過程にある。 (雑誌「心理臨床学研究」に過去20年間に掲載された,不登校を主訴とする中学生本人の個人心理面接の終結事例から9編を抽出し,それらの面接経過から「重要な出来事」を同定し,面接段階別にどのような特徴が見られるか,グラウンディッド・セオリーに基づいて概念化の作業を行った。その結果,「Clの出来事」,「Cl-Thの出来事」,「Thの出来事」という領域に,「イメージの表現,遊び,趣味の話」,「情緒や感覚」,「現実的な語り」,「問題や症状の状態」,「治療関係」,「介入と内省」といったカテゴリーが見出された。とくにClの「イメージの表現,遊び,趣味の話」は,心理面接の段階に関わらず,面接過程で主要な役割を果たしていた。また,中学生女子では「現実的な語り」が見られ,Thとの治療関係でも言語的交流を伴うが,中学生男子では「現実的な語り」がほとんど見られず,Thとの治療関係でも非言語的交流が中心であった。)
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