2012 Fiscal Year Research-status Report
強迫性障害を対象とした症状ディメンションに基づいた治療戦略
Project/Area Number |
24730573
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
井上 淳 浜松医科大学, 医学部附属病院, その他 (90535577)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 強迫性障害 / 症状ディメンション / 治療戦略 |
Research Abstract |
本研究の目的は、強迫性障害の症状ディメンションに対応した心理療法の治療戦略を確立することである。H24年度は、ディメンションに対応した有効な心理療法を探索することを目的に、強迫性障害のクライエントの背景因子やパーソナリティ傾向、知的能力、主なディメンション、用いられる治療方法などについて後方視的に検討を行った。1998年6月~2007年11月までの間に、強迫性障害と診断され、浜松医科大学精神科に入院となった41名のデータを分析対象とし、これまでの臨床実践の詳細を調査した。調査項目として、(1)強迫症状のディメンションの特定にDimensional Yale-Brown Obsessive-Compulsive Scaleを用い、主なディメンション、ディメンション数、(2)症状の重症度の評価として、入院時と退院時に評価されている機能の全般的評価(GAF)、(3)罹病期間、(4)知的能力の評価として、WAIS-R/WAIS-III、(5)パーソナリティ傾向の評価として、MMPI、Y-G性格検査、(6)用いられた治療方法、を調査した。入院時および退院時のGAFを指標とし、不変群と改善群に群分けを行ない、分析を行った。その結果、汚染のディメンションは改善群の割合が低く、入院時の社会機能障害もより重度であることが示された。今後、得られた調査データを統計的に解析し、詳細について、第32回心理臨床学会にて発表予定である。加えて、第30回森田療法学会にてディメンションが多岐にわたる症例の治療戦略について、症例報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H24年度でカルテ調査を終了する予定であったが、1998年~2007年までの9年分のデータ収集で終了してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2008年~現在までのカルテ調査を終了し、有効な治療戦略の仮説の生成を行う。カルテ調査終了後は、新規患者を対象に、強迫性障害の各症状ディメンションの重症度を量的に測定し、上記の調査結果から導き出された治療戦略仮説に基づき、治療を施行し、前方視的に仮説を検証していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
診療録の整理をする実験補助の謝金、および、データ管理と保存、解析に、ノートパソコン及び統計ソフト、最新セキュリティソフトの購入を予定している。
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Research Products
(3 results)